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2025/05/25(SUN)

スタッフブログ

劇的な復活を遂げた中国の車メーカーSERES

こんにちは、Buddieateスタッフの周です。今週は中国新エネルギー車業界で劇的な復活を遂げたSERESに焦点を当てます。かつて「二流メーカー」と揶揄された同社が、2024年に年間42万台超の販売と約60億元の純利益を達成する「業界の黒馬」へと変貌した背景には、戦略的提携・生産革命・政府支援が複雑に絡み合っています。しかし、華為依存症や価格競争リスクなど、持続的成長への課題も浮上しています。

賽力斯の転機は2021年の「華為(Huawei)」との戦略的提携にありました。華為が車載OS「鴻蒙」や自動運転技術を提供し、賽力斯が車体製造を担う「HI(Huawei Inside)モード」で開発した高級SUV「問界M9」は、50万元以上の市場でBBA(ベンツ・BMW・アウディ)を圧倒し、年間15万台のヒットを記録。
華為のブランド力と技術力が消費者信頼を獲得し、売上高は2023年比で3倍以上に急拡大しました。さらに重慶市両江新区に建設したスーパー工場では3,000台以上の産業用ロボットを導入し、主要工程の100%自動化を実現。年間70万台の生産能力とコスト削減を両立させ、政府から77億元の支援を受けた「チェーンリーダー企業」としての地位を確立しました。

しかし、成功の陰にはリスクが潜みます。売上の88%を「問界」ブランドに依存する賽力斯は、華為が奇瑞(Chery)や北汽(BAIC)など他社と提携を拡大した2025年以降、技術面での優位性を失いつつあります。鴻蒙OS4.0の優先権喪失や店頭展示スペースの縮小は、技術自立性の不足を露呈させました。さらにテスラや比亜迪(BYD)が主導する価格競争の激化に伴い、販売費が売上高の13%(比亜迪は3%)に達し、華為への広告手数料が重荷に。総負債額824億元の解消に向け、香港IPOによる資金調達が急務です。

こうした課題に対し、賽力斯は2024年に研究開発費を70億元(前年比59%増)に増額し、独自の「魔方プラットフォーム」や超増程システムの開発で技術自立を推進。30万〜60万元の価格帯をカバーする「問界M8」の追加や、大衆向けブランド「藍電」の拡充により製品ラインを多角化しています。さらに重慶市の軽量化部品クラスターと連携したサプライチェーン改革では、アルミニウム合金素材の調達コストを15%削減。2027年までに海外売上比率30%を目指す国際化戦略も加速中です。

賽力斯の復活劇は、華為の技術力×地方政府の支援×資本市場の機動性が生み出した中国型イノベーションの縮図と言えます。しかし、過度な提携依存からの脱却とブランド構築が今後の試金石。中国が目指す「スマートEV世界クラスター」の行方を占う上で、その挑戦は業界全体に重要な示唆を与えるでしょう。

それでは、次回のブログでまたお会いしましょう!

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