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2025/05/19(MON)

スタッフブログ

『地球防衛軍』シリーズのB級感が生む魅力

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「『地球防衛軍』シリーズのB級感が生む魅力」についてお話します。「地球防衛軍(EARTH DEFENSE FORCE)」シリーズは、2003年にディースリー・パブリッシャーよりリリースされた低価格ゲーム「SIMPLE2000シリーズ」の一作品として誕生しました。当時、低予算の制約下で制作されたこのゲームが、現在では累計400万本超のセールスを記録する独自のブランドへと成長した背景には、開発チームの独特な思想と、ファンの継続的な支持が存在しています。

開発を手がけたサンドロット社は、1997年に設立された少人数のスタジオです。サンドロットの開発陣は、初代「地球防衛軍」を「B級映画のようなゲームにしたい」という明確な意図のもと制作しました。彼らはシナリオに過度なリアリズムを持ち込まず、プレイヤーが「突如襲来する巨大な昆虫型エイリアンに向かって、ひたすら銃を撃ちまくる」という極めて単純で、しかし中毒性の高い体験を提供することに全力を注ぎました。グラフィックやボイス演出も「安っぽさ」を意図的に残し、「B級映画的な虚構感」を逆に強調することで、プレイヤーの笑いや共感を誘発しています。
開発者インタビューによれば、建物が爆発と共に一瞬で崩れ落ちる様子や、空を埋め尽くす敵の物量などは実際の物理法則などには従っておらず、スクリプト制御により派手な演出に仕上げることを最優先に作られているとのことです。つまり地球防衛軍は、技術力よりも「どうすればプレイヤーが気持ちよくなれるか」を重視する設計思想が貫かれているのです。

最新作「地球防衛軍6」(2022年)は、過去最大の敵数とマップスケールを誇りながらも、シリーズ特有の粗削りなゲーム感は一切損なわれていません。この「進化しないことがブランド価値になる」という逆説的な成功モデルは、商業主義に過度に迎合しない開発哲学の成功例として見習うべきものがあります。こうしたスタンスは、現代のゲーム開発において非常に稀有なものです。多くのヒット作は巨大な制作予算、長期開発サイクルから生まれる中、地球防衛軍は少人数で回せるプロジェクト規模を維持しつつ、ユーザーと継続的なコミュニケーションを重ねることで「過剰に作り込まないこと」に価値を見出しています。「シンプルイズベスト」という信念を丁寧に辿ったようなこのプロセスは特にブランド・アイデンティティにおけるミニマルな戦略として、他業界の製品開発やサービス設計にも通じる要素です。

今後も同シリーズが変わらないままでいられるかどうかはわからないものの、少なくとも現在のファンのうち大多数が「新作に期待しながらも大きな変化を望んでいない」という稀有な構造を保っています。これは、消費者が「新しさ」ではなく「信頼」や「お約束」に価値を見出す成熟した関係性が築かれているために他なりません。

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