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2024/11/07(THU)

スタッフブログ

カップアイス「MOW」の売上V字回復

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今週は「MOW」のV字回復についてお話します。
「MOW」は2003年に発売されたカップアイスで「Pino」「PARM」と並んで森永乳業を代表するアイスクリームです。2021年に定番フレーバー3種が国際味覚審査機構の優秀味覚賞三ツ星を受賞したことからわかるように、MOWのクオリティは高く、新フレーバーが発売されると話題になるなど、消費者から安定して高い人気を誇っています。しかし、MOWにも長い低迷期があったのです。

森永乳業は他社のバニラアイスがカスタード系であるのに対し、乳業メーカーの強みを生かし「濃厚でミルク感のあるアイス」としてMOWを開発しました。一般的なアイスで使用されている乳化剤や安定剤を使用せず、ミルク本来の味を引き出すことにこだわりました。結果、他社のバニラアイスとは異なる「なめらかな食感やすっきりした後味」により、カップアイス市場の中で独自のポジションを築きました。その後、2009年までは成長を続け、リニューアルや新フレーバーの投入によりシェアを拡大していきました。

2009年からMOWは低迷を続け2014年には売り上げが過去最低を記録しました。MOWの低迷の理由は、時代とともに変わる消費者の嗜好に対応できず、競争が激化するカップアイス市場で存在感をアピールできなくなっていたからです。MOWはそれまで「バニラ」ではなく「ミルクバニラ」というフレーバー名を採用している通り、ミルク感の強いバニラアイスを提供していました。しかし、森永乳業が行った消費者アンケートではミルクアイスよりバニラアイスが求められているという結果となっており、MOWの目指す方向性と消費者のニーズがかみ合っていませんでした。また、高級カップアイスとしてブランドを築いている「ハーゲンダッツ」や大容量で安価な「エッセルスーパーカップ」、シャリシャリとした食感が特徴の「爽」などの存在もあり、MOWは他のアイスと比べて埋もれてしまっていました。

そんな中MOWは2015年に大幅なリニューアルを実施しました。消費者アンケートの結果から、ミルクとバニラのバランスを調整し「バニラアイス」として訴求していくことになりました。また、パッケージも大幅にリニューアルしました。リニューアル前はソフトクリームのようにアイスが渦巻いていて、牧場や牛のイラストが描かれたパッケージをしていました。リニューアル後は濃い青背景に白字で「MOW」と書かれ、溶けたアイスのビジュアルが特徴です。ロゴもポップなものから洗練されたシンプルなものに変化しました。このパッケージの変化によりMOWは元からの品質の高さに加えて、「大人向け」「高級感」という新たな特徴を獲得しました。

2015年のMOWの売り上げは前年度比の150%を記録し、V字回復を成し遂げました。リニューアルにより安価であるけれど高級感にあふれているMOWは、「お手頃価格で質の高いアイス」という他のカップアイスに埋もれない特徴を獲得し脚光を取り戻しました。

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