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2025/01/23(THU)

スタッフブログ

富士フイルムの”第二の創業”から学ぶ新規参入の重要性

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今週は富士フイルムが行った“第二の創業”についてお話します。

富士フイルムは1934年に「富士写真フイルム株式会社」として設立されて以来、フィルム・カメラ・印画紙・現像装置などに至る写真システムの一式を取り扱っている会社でした。しかし、2000年以降、化粧品・医薬品・健康食品などの新規事業に進出し大きな成功を収めています。今回は富士フイルムがなぜ新規事業に進出したのか?について深堀します。

1980~1990年代、富士フイルムの主力事業は写真フィルム事業でした。当時、写真フィルムの需要は右肩上がりに成長しており、富士フイルムの売上の6割程になる大きな収益源となっていました。しかし、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していた写真フィルム市場の水面下では、デジタル化が始まりつつありました。1980年頃にはすでに写真フィルムの領域でデジタル技術が出現し始めていた。さらに、デジタルカメラの原型となる電子カメラが登場し、印刷でもコンピュータによる製版装置が売り出され始めていました。そのため、当時「デジタル化の大きな波が来て、写真フィルムはいずれ無くなるだろう」と誰もが感じていたようですが、その反面写真フィルムの売上は伸び続けていたため、いつその波が来るのか判断することが難しかったようです。当時の富士フイルムの経営陣の中でも「まだまだ写真フィルムの時代は続く」という雰囲気があったようです。

しかし、2003年頃から写真フィルムの売り上げが急速に低下し、市場規模は年間20~30%減という驚異的な勢いで縮小を始めました。ちょうどこの頃、デジカメの研究開発が進み顧客の要求を満たすほどの性能を持ったデジカメが世に出回り始めたのです。富士フイルムは世界中に広がっていた巨大な生産設備、販売組織の大幅な縮小、2回にわたる5000人規模の人員削減などを行いつつ、自社の技術の強みを活かせる分野に進出するという決断をしました。

そこで、富士フイルムが目を付けたのが化粧品事業です。富士フイルムが持つフィルム製造技術は、高度なゼラチンの安定化技術や抗酸化技術が含まれていました。この、ゼラチンの安定化技術がコラーゲンの安定化に転用できることがわかったことが、化粧品事業への進出のきっかけとなりました。現在の富士フイルムの主力製品の一つである化粧品「アスタリフトシリーズ」には富士フイルムが持っていた様々な技術が転用されています。例えば、酸化を防ぐための化合物を微細に分散させるという、フィルムやインクジェットペーパーに使用されていた酸化防止技術がありました。この技術を転用して、アスタキサンチンという肌への効果は高いけれども化粧品に配合することが難しい成分をナノサイズまで微細化することで肌に効果的に届けることを実現しています。

現在の富士フイルムのセグメント別売上構成を見てみると、化粧品事業が含まれるヘルスケアのセグメントは全体の32%を占めており、この新規事業進出を大成功だったといえるでしょう。富士フイルムはそれまでの写真フィルム事業からはかけ離れた事業に進出する“第二の創業”に踏み切りました。新たな事業で自社の持つ強みを十分に発揮することでフィルムの需要喪失という大きな難局を乗り越えることに成功し、現在でも生き残り続けています。

今回ご紹介した、富士フイルムの事例からもわかるように、企業にとって新規事業に参集することはリスクは大きいですが、同時に会社の経営が傾きにくくなったり、業績が大きく向上するといった大きなリターンが存在します。今年から新設された“中小企業新事業進出補助金”は既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資を支援してくれる補助金です。補助上限額は従業員によって異なりますが補助率は1/2となっています。この補助金を活用して新規事業へ乗り出し、より成長してみませんか?

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