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2025/06/17(TUE)

スタッフブログ

製品・ブランド事例研究

『味のしない飴』が評判を得た理由

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「『味のしない飴』が評判を得た理由」についてお話します。
ローソンが販売した「味のしない?飴」は、コロナ禍におけるマスク生活での新たなニーズに着目して開発された商品です。マスクを常時着用する生活が長引く中で、「口の中を潤したいけれど、甘いものは控えたい」「強いミント味は刺激が強すぎて苦手」といった声が一定数存在していました。こうした背景のもと、ローソンの商品開発担当者が着目したのが、「あえて味がしない飴」という逆転の発想でした。

この商品は、2022年10月に実施された「ありそうであまりなかった商品フェア」の一環として、他のユニークな商品とともにテスト販売されました。その際、Twitter上で実施された一般投票企画「テスト品総選挙」にて、7商品中で最も多くの票を集めました。この結果を受け、ローソンは「味のしない?飴」の本格的な商品化を決定し、2023年6月に全国販売を開始しました。発売直後には多くの店舗で即日完売となるなど、予想を上回る売れ行きとなりました。商品開発の過程では、「飴である以上、味がしないというのは本末転倒ではないか」という社内の懐疑的な声もあったといいます。
しかし、むしろその違和感が商品としての強みになるだろうという判断から、この企画が実行されることとなりました。開発担当者は、味を極力抑えるための原料選定にも力を注ぎ、ほんのりとした甘さを持つポリデキストロースを主成分として採用しました。これにより、飴としての形状や食感を保ちながら、味覚的な主張はほとんどないという、独自性のある商品体験を提供しました。
この飴は単なる食品というよりも、無味の物を口に含むことで得られる「何もないことの不思議さ」を楽しむ商品として受け入れられました。実際にSNSでは、「虚無味」「脳が混乱する」「口寂しさを埋めてくれる」などと様々なリアクションが上がり、大きな話題を呼びました。

このように、ローソンの「味のしない?飴」は、最初に消費者ニーズを抽出した上で、社会の常識にとらわれずに、ユニークな発想を行い、開発されました。その後はSNSを活用した消費者参加型の開発プロセスを経て、注目を集めた後の販売によりヒットに繋がりました。このように、突飛に見えて実はヒットのためのマーケティング戦略がいくつも講じられていたのです。
特に、飴という商品が満たすべき部分を満たしながらも「ありそうでなかった」という絶妙なポイントを抑えることで、本質と新規性の両立に成功していることが本商品のマーケティングで最も評価すべき点であると言えます。

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