左侧广告
右侧广告

コラム

コラム

Column

Buddieateのアプリなら毎週更新される最新ブログを無料で読めます!

アプリをダウンロード

2025/04/29(TUE)

スタッフブログ

スクウェア・エニックスの合併による強み・弱みの補完とその後の進展

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今週は、ゲーム業界における歴史的な出来事、スクウェアとエニックスの合併についてお話しします。
2003年4月1日、株式会社スクウェアと株式会社エニックスが合併し、新たに「株式会社スクウェア・エニックス」が誕生しました。今回は、合併前の両社の特徴と経営状況、そして合併によってもたらされたメリットやリスクを整理してご紹介します。

まず、合併前の両社の特徴を振り返ってみましょう。
スクウェアは「ファイナルファンタジー(FF)シリーズ」や「サガシリーズ」などの人気タイトルを多数保有し、ソフト開発(デベロッパー)と販売(パブリッシャー)を自社で行う、技術力に定評のある会社でした。しかし、その反面、FFシリーズに売上が依存しており、リリース月とそれ以外で業績に大きな差が生まれるという課題を抱えていました。加えて、出版部門を持っていなかったため、メディアミックス展開に制限がありました。さらに、2001年の映画『ファイナルファンタジー』の失敗により、財務状況は悪化していました。

一方のエニックスは、「ドラゴンクエストシリーズ」が看板タイトルで、ゲーム開発は外部のパートナーに委託し、自社は販売に注力するというビジネスモデルを採っていました。また、1991年創刊の「月刊少年ガンガン」など、出版分野でも成果を挙げていました。ただし、ドラクエ以外に目立ったヒットタイトルが少なく、開発期間の長期化もあり、年間の売上にばらつきがありました。また、社内にゲーム開発人材が乏しかった点も課題でした。
そうした両社の強みと弱みを補完し合う形で、2002年11月26日の取締役会で合併が決定され、2003年4月1日をもってスクウェアがエニックスに吸収される形で合併が実施されました。存続会社はエニックス、合併比率はエニックス株1株に対してスクウェア株0.85株となり、新会社の社名は「株式会社スクウェア・エニックス」。代表取締役社長には旧スクウェアの和田洋一氏が就任しました。

合併によって得られた主なメリットは、まさに両社の補完関係にありました。
エニックスが直面していた自社IPの不足は、スクウェアの「FF」や「サガ」シリーズで補完されました。ゲーム開発人材の不足についても、開発力の高いスクウェアの人材が加わることで対応可能となり、後に「ドラゴンクエストX」は完全な内製化を果たすまでに至っています。また、スクウェアが持っていなかった出版部門も、エニックスのノウハウにより強化され、より広範なメディア展開が可能になりました。

一方で、デメリットや新たな課題もありました。
特に指摘されたのは、会社の規模拡大により経営層と開発現場の距離が遠くなり、スクウェア時代にあった「開発も理解する経営」が失われた点です。経営と開発の分離は、作品の質に影響を与えるリスクを高めました。実際、合併後しばらくは批判の声が上がることもありました。
さらに、FFとドラクエという2大タイトルのブランドが、合併によってイメージダウンするのではないかという懸念もありました。それぞれに強いファン層があり、販売元の変更はファンの離脱を招く可能性がありました。また、合併比率がエニックスに有利とされたことで、スクウェアの株主から反発を受ける可能性も指摘されていました。

こうしたリスクを抱えながらも、スクウェア・エニックスはその後も大手ゲーム企業として成長を続けています。近年では、経営と開発の両立を図る動きも見られ、FFシリーズのプロデューサーが取締役執行役員に就任するなど、現場との連携を重視する体制に回帰する姿勢も見られます。
 異なる強みを持つ2社が手を取り合ったこの合併は、今もなおゲーム業界に大きな影響を与え続けています。今後のスクウェア・エニックスの展開にも、引き続き注目していきたいと思います。

ぜひ一緒にCreateしましょう!

お問い合わせ