コラム
こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。
本日は「ユニークな新聞広告」についてお話します。
多数の購読者に閲覧してもらえることが魅力の新聞広告には、
限られたスペースでできるだけ強いインパクトを読者に与えられるような工夫がなされており、バラエティに富んでいます。
今回ご紹介するのは、一般社団法人大阪府トラック協会によるトラック運転手の標準運賃に関する広告です(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000075943.html)。
近年、運転手の高齢化や過酷な労働環境によりトラック運転手の数が減り続けています。
それを踏まえ国土交通省は令和2年、働き方改革の一環としてトラック運転手の標準運賃を明示しました。
運転手たちが標準以上の賃金を支払ってもらえるためには、
荷物を輸送する依頼主などに対して標準運賃への理解を広める必要があります。
この新聞広告はそのような目的で作られています。
この広告に大きく写ったトラックの後方扉部分には「きつめのやばい」と、誰が見てもわかるように大きく印字されています。
この言葉は、大ヒット作品の「鬼滅の刃(きめつのやいば)」のアナグラムです。
人気作品の名前をユーモラスに使いながらも、トラック運転手への不当な賃金や労働環境を是正するよう、
切実に訴えかけた新聞広告です。
この広告の特徴として、「鬼滅の刃」のキャラクターなどが一切使われていないことが挙げられます。
これについては、「キャラクターとトラックの適合性が低い」ためではないかと考えました。
想像してみてください。もしこの広告に「鬼滅の刃」のキャラクターが大きく載っているとしたら、いかがでしょうか。
恐らくキャラクターに目が行ってしまい、本質である広告の内容の印象が弱まってしまうのではないでしょうか。
そもそも、「鬼滅の刃」は大正時代が舞台となっているため、トラックという現代の物との組み合わせは難しいように思われます。
話題性の強いものを大きく表示することで人目を引くことはできるかもしれませんが、
使いどころによっては本質を覆い隠してしまう可能性もあります。
そう考えると、この広告は「鬼滅の刃」の名を用いながらも本当のテーマを強く打ち出していて、
ビッグコンテンツを非常に効果的に使っていると言えます。