コラム
こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。
本日は「低・ノンアルコール飲料の人気とメーカーの戦略」についてお話します。
近年の傾向として、缶入りアルコール飲料の低・ノンアルコール化が見られます。
特にコロナ禍以降、ビジネスなどでの飲酒機会が減ったことに加え、
健康志向の定着や若年層のアルコール離れが進んだことが原因として考えられます。
また、近年厚生労働省は適正な飲酒を呼びかける「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を初めて公表しました。
これは疾病の発症リスクが高まる純アルコール量を示し、適量の飲酒を促すものとなっています。
酒類メーカーはこれらの流れに沿った商品開発や事業展開を求められています。
酒類市場では手軽に酔える9%前後の高アルコール飲料が2018年ごろから人気になりました。
しかしその後、コロナ禍での外出自粛で飲酒機会が減少しました。
その結果、若者は会社での飲酒を敬遠したり、あえて飲まない習慣「ソバーキュリアス」が生まれたりなど一般の飲酒スタイルが大きく変化しました。また、飲酒習慣を持っていた人々の中からも健康志向から低・ノンアル飲料を選択する層が現れました。
アサヒビールは「不適切な飲酒を撲滅し、お客さまがお酒との良い関係を楽しんでいただけるように、2024年以降にアルコール度数8%以上のRTD(フタを開けてそのまま飲めるアルコール飲料)を発売しない」方針を公表しました。
また、お酒を飲める人も飲めない人も一緒に楽しむ文化「スマートドリンキング」推進の一環として、
販売品目のうちアルコール分3.5%以下の飲料の構成比率を2025までに20%に引き上げるとしています。
他メーカーでも適正飲酒や低・ノンアル飲料を広める動きがみられます。
サントリーは「適量のお酒はコミュニケーションを活発にし、生活に潤いを与える」として、
「適正飲酒の一層の啓発活動に努める」ことを公表しています。またサントリーはノンアルコール飲料の展開を強化しています。
ノンアルをブランド化したり、魅力を訴求する体験イベント「のんある酒場」を全国各地で展開したりと、
かなり力を入れていることがわかります。
今後も飲酒習慣を持たない層が増えていき、メーカーでも低・ノンアルコール化の流れは強まっていくと見られています。
飲みの場は「どのような人でも楽しめる」というのが理想形であるように思われます。
そのため、私は特に「スマートドリンキング」の文化が定着して欲しいと考えており、
メーカーがこの活動を推進していくことを望んでいます。