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2024/08/13(TUE)

スタッフブログ

牛乳石鹸から学ぶ商品の見せ方の転換

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「牛乳石鹸に見る商品の意味転換」についてお話します。「牛乳石鹸」は「牛のマークの牛乳石鹸」として親しまれてきた石鹸のブランドです。特に有名なのは、看板商品でもある「カウブランド赤箱」と呼ばれる石鹸でしょう。この石鹸は「赤箱」という呼び名で広く知られています。恐らく多くの方が使用したことがあるのではないでしょうか。
1928年から販売されているロングセラー商品の赤箱ですが、ハンドソープなどの競合商品の人気や不景気などが原因で売り上げが低迷し、存続も危ぶまれるほどの事態に陥った時期があるのです。ですが、2011年に「赤箱再生プロジェクト」が立ち上げられたことをきっかけに、赤箱の人気が再び高まりました。

赤箱再生プロジェクトでは、かつての「牛乳石鹸」という名前でなく「赤箱」いう名前の知名度向上を主目的とし、まずはパッケージデザインを変え、赤箱の特徴がユーザーに伝わるようわかりやすくアピールしました。また、石鹸に馴染みの少ない子供世代にアプローチするために、小学校で手洗いの授業を行いました。商品パッケージの見直しや、地域をターゲットにした活動など、様々な手法で赤箱の宣伝が行われました。
そうしている中、赤箱が「@cosme ベストコスメアワード2015」におけるベスト洗顔料に選ばれました。実はこれはユーザーの「赤箱は洗顔にいい」というクチコミによる受賞でした。赤箱再生プロジェクトでは赤箱を洗顔料として宣伝するということはしていなかったのです。そのため、当時会社内では意外な結果に驚く声が多かったといいます。しかしこの受賞をきっかけに、「赤箱が洗顔料として評価されているなら、それに応じた形の宣伝をしよう」と赤箱を洗顔料として使ってもらう方向に転換、そしてこれが赤箱人気に絶大な効果を発揮したのです。

「せっけんを使ったことがない20代女子」を新規ターゲットに加えて、「伝統、安心の身体洗浄料」から「洗顔にも使えるプチプラコスメ」に商品価値の主軸を変更しました。そこで「赤箱女子」という「こだわりをもって赤箱で洗顔している女性」を指すワードが生み出され、商品自体は変えないまま見せ方や商品の意味を大きく変えて新規ターゲットにアプローチしました。赤箱女子を増やすための施策として、2018年には京都「赤箱 AWA-YA in KYOTO」という企画が開かれました。期間限定店舗で若い女性向けに泡ハンドパックや泡だて体験、限定のオリジナルグッズの販売が行われ、注目を浴びました。店舗のデザインは赤箱のパッケージを用いたレトロな雰囲気のもので、これが若い女性たちに好評だったようで、SNSでも話題を呼びました。

実は私も赤箱をよく使っているのですが、この記事を書くまで赤箱再生プロジェクトについても赤箱女子についても知りませんでした。普段何気なく使っている商品、特にロングセラー商品は価値や意味が固定化されがちです。しかし赤箱のように、価値の主軸を刷新し適切なデザインとマーケティングをすることで人気を取り戻すことも新規ユーザーの獲得も可能なのです。「商品の見せ方」がいかに重要かわかるエピソードですね。

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