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2025/07/01(TUE)

スタッフブログ

ビジネスモデル・経営戦略

粗利率45%⁉ 町の電気屋さん『ライフテクト ヤマグチ』のビジネスモデル

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は、「粗利率45%⁉ 町の電気屋さん『ライフテクト ヤマグチ』のビジネスモデル」についてご紹介します。

「ライフテクト ヤマグチ」は、1965年に山口勉氏が自宅の物置を改装して創業した、小さな町の電気屋さんからスタートしました。創業当初は、地域の家電修理を中心に事業を展開していましたが、その後、パナソニックの特約店となり、家電製品の販売にも進出。順調に成長していったように見えました。

しかし、1990年代半ば、大きな転機が訪れます。家電量販店の台頭により価格競争が激化し、加えて自社店舗を拡大したことによる経費増加も重なり、経営は深刻な局面を迎えました。この時、借入金はなんと1億9000万円にまで膨れ上がっていたといいます。

そんな危機的な状況の中、山口氏は「安売りをやめる」という大胆な経営方針の転換を決断します。量販店との価格競争に対抗するのではなく、逆に“価格以外の価値”で勝負する戦略です。つまり、利益率を維持・向上させるために、価格ではなくサービスで顧客を惹きつけるビジネスモデルへの移行を図ったのです。

そこで生まれたのが、「ヤマグチの裏サービス」と呼ばれる独自の取り組みです。これは、単なる家電の販売・修理にとどまらず、お客様の生活全体を支えるような“かゆいところに手が届く”サービス。例えば
・「お店まで車で送迎してほしい」
・「旅行中、ペットにエサをあげてほしい」
・「テレビ番組の録画予約を代わりにしてほしい」
など、一般的な電気屋さんでは対応しないような依頼にも、可能な限り応えています。

このサービスを可能にしているのが顧客担当制度です。ヤマグチでは社員一人につき約350名の顧客を担当し、その一人ひとりと密接な関係を築いています。この制度の目的は、単なる販売ではなく「生活の相談相手」として信頼を得ることにあります。担当者は、定期的に顧客宅を訪問し、家電の使用状況や困りごとをヒアリングします。例えば、季節の変わり目にはエアコンやストーブの点検、年末には冷蔵庫のメンテナンス提案など、「売って終わり」ではない継続的なフォローアップを徹底しています。このような体制により、顧客の信頼を獲得すると同時に、自然な流れで買い替えやリフォームなどの提案につなげることが可能になります。つまり、無理に売らずとも“相談の延長線上で売れていく”仕組みができているのです。

また、得意客に集中するために「過去5年間で購入がない顧客」や「店舗から地理的に離れた顧客」は名簿から外すという方針をとっています。これは、数を追うのではなく、「自分たちがきちんと対応できる範囲に絞って深く関係を築く」という、非常に合理的かつ持続可能な戦略です。これにより、顧客満足度を上げつつ業務効率化を実現しています。

このように、ライフテクト ヤマグチでは、製品を売ること以上に「顧客との信頼関係」を重視し、その信頼の上に成り立つサービスによって、他店よりも高い価格であっても納得して購入してもらう仕組みを構築しました。その結果、粗利率は45%を達成し、なんと28年連続で黒字経営を続けるという“超優良企業”へと成長したのです。

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