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2025/02/13(THU)

スタッフブログ

紳士服業界の異業種進出【AOKIと青山の明暗】

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今週は紳士服業界の異業種進出についてお話しします。
紳士服業界は、かつてオーダーメイドが主流でしたが、既製服の大量生産が進むことで市場が急拡大しました。
特に1980年代以降はバブル景気の影響を受け、スーツの需要が急増。1992年には国内のスーツ販売数が約1,350万着に達し、業界は最盛期を迎えました。
しかし、その後の経済の低迷、カジュアルファッションの普及、リモートワークの増加などの影響により、スーツの需要は年々減少。2020年には年間販売数が約400万着となり、ピーク時と比較して約7割の減少となりました。
こうした環境の変化に対応するため、紳士服業界は新たな収益源を模索し始めました。

現在、紳士服業界は「青山商事」と「AOKIホールディングス(AOKI HD)」の2強体制と言っても過言ではありません。
2023年3月期の決算を見ると、売上高ではAOKIが青山にわずかに及ばなかったものの、営業利益ではAOKIが青山の約15倍という大差をつけています。同じ業界に属しながら、なぜこれほどの差が生じたのでしょうか?

AOKIの圧倒的な営業利益の背景には、不動産の有効活用があります。AOKIは現在、国内に498店舗を展開しており、多くの店舗が幹線道路沿いなどの好立地に位置しています。この資産を活かし、AOKIは以下のような異業種展開を進めました。

・カラオケ事業:「コート・ダジュール」
・複合カフェ事業:「快活CLUB」
・フィットネス事業:「FiT24」

特に「快活CLUB」は、全国に500店舗以上展開し、複合カフェ業界でトップのシェアを誇るほど成長しており、スーツ需要の減少による影響を大幅に補っています。
AOKIはこうした異業種への参入を進めることで、紳士服業の売上減をカバーし、安定した収益を確保することに成功しました。

一方、青山商事も不採算店舗の活用策を模索しており、
・100円ショップ「ダイソー」(大創産業とのフランチャイズ契約)
・焼肉チェーン「焼肉きんぐ」(物語コーポレーションとの提携)

といった業態転換を進めています。しかし、これらはフランチャイズ契約に基づく事業展開のため、高額なロイヤリティが発生し、利益率を押し下げる要因となっています。
対照的に、AOKIはすべて自社運営で異業種事業を展開しているため、利益率の高さが際立っています。

紳士服業界は今後も厳しい市場環境に直面することが予想されます。しかし、AOKIのように異業種への本格的な進出を成功させれば、新たな成長の道を切り開くことができるでしょう。青山商事もフランチャイズ頼みの戦略から脱却し、より自社の強みを活かした事業展開を図ることが求められると考えます。

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