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2025/06/01(SUN)

スタッフブログ

消費・トレンド分析

世界を魅了するキモカワおもちゃ、ラブブ旋風の正体

こんにちは、Buddieateスタッフの周です。
今回は、たった数ドルで作られた小さなキャラクター「Labubu(ラブブ)」が、どうして世界中で争奪戦を巻き起こす存在になったのか。その秘密に迫ります。

この“毛茸おもちゃ”ラブブは、いまや海外で**約30万円(1920ドル)**の転売価格がつくほどの人気ぶり。欧米では徹夜で並ぶファンも続出しています。一体なぜ、ここまでヒットしたのでしょうか?

ラブブは2015年に、香港のアーティスト、カシン・ルンさんが児童書のキャラクターとして生み出しました。
そこに目をつけたのが中国のトイメーカー「バブルマート(POP MART)」です。

2019年にライセンスを取得し、収集型アートトイとして展開を開始。尖った耳、ギザギザの歯、異色の目といったちょっと不気味な見た目が「キモカワイイ」と話題になりました。
そこから爆発的な人気を獲得し、2022年の売上3.68億元から、2024年には30億元超(726%増)へと急成長しました。

人気の背景には、以下の3つの仕掛けがあります。

① セレブによる“偶然”の宣伝
BLACKPINKのリサさんが自然にラブブを持ち歩いた姿がSNSで話題に。するとタイでは一大ブームとなり、政府がラブブを「公式アンバサダー」に任命するほど。
リハーナやベッカム、タイ王室までもが愛用し、「ラブブ=ハイブランドのアクセサリー」としての地位を築きました。

② ブラインドボックスの“開けたくなる”魔法
中身の見えない「ブラインドボックス」形式で販売され、基本モデルは99.3%の確率で当たる一方、超レアな「隠しモデル」は0.69%(1/144)。
この絶妙な確率設計が、開封時のドキドキ感を演出。TikTokでは「#popmart」タグの開封動画が数百万再生され、もはや“開封体験”そのものがSNS上のステータスになっています。

③ グローバルに練られた販売戦略
タイ・バンコクの旗艦店では1日で1000万元を売り上げ、パリのルーブル美術館近くやロンドンの高級百貨店ハロッズにも出店。
米国では価格を27.99ドルに引き上げたにもかかわらず完売が続くなど、「入手困難=欲しくなる」を巧みに利用しています。

その結果、2024年の海外売上は前年の4倍以上(50.7億元)に。米国市場では四半期で約9倍の売上増という驚異的な数字を叩き出しました。

でも、人気の裏側にある課題も…
これだけの人気ゆえに、問題も起きています。

たとえば、バンズとのコラボ品は定価599元が転売で1.48万元(約24倍)に。レアモデルはStockXで約30万円に高騰。
いわゆる転売ヤーによる買い占めが問題視され、店舗では「商品到着5分前まで情報を出さない」といった対策が取られています。

また、過去には限定品が高騰後に価格暴落したこともあり、「日本のブラインドトイ市場と同じようにブームが一気に冷めるリスクもある」と警戒する声も。
さらには、Amazonでは偽物が正規品より「品質が良い」と誤認される逆転現象も起きています。

これからのラブブはどうなる?
バブルマートは、今後の展開として次の3つを打ち出しています。

IP単体から脱却:映画やゲーム、テーマパークへの展開を加速中。タイでは「ラブブ投げ」が結婚式で流行中。

多様性戦略:アメリカ人デザイナーと組んだパンク系ガールズグループ「叛桃(Peach Riot)」を新たに展開。

生産拠点の分散:関税リスクを避けるため、ベトナム工場の比率を10%に引き上げ。

あるアメリカの22歳ミュージシャンは、「ラブブは単なるおもちゃじゃない。自分を癒してくれる存在であり、自己表現の一部だ」と語っています。
もしバブルマートが「中国版ディズニー」を目指すなら、キャラクターにストーリーと心のつながりを持たせ、「孤独な時代の寄り添う存在」として昇華していくことが、次のカギになるのではないでしょうか。

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