左侧广告
右侧广告

コラム

コラム

Column

Buddieateのアプリなら毎週更新される最新ブログを無料で読めます!

アプリをダウンロード

2025/06/10(TUE)

スタッフブログ

海外事例・国際情勢

「うちの方がスゴい」はアリ?アメリカの比較広告について

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は「アメリカにおける比較広告」についてお話しします。

比較広告とは、他社の商品やサービスと自社の商品やサービスを比較し、自社の優位性を示す広告手法のことです。例えば、他社製品との性能や価格を並べて提示し、自社製品の方が優れていることをアピールする内容が多いです。アメリカではこの比較広告が非常に一般的で、テレビCMやデジタル広告など様々な媒体で目にすることができます。

日本では、ネガティブな表現や他社批判を避ける文化的背景があり、訴訟リスクなどの理由から比較広告は控えめに使われる傾向があります。そのため、「当社比」や「従来品比」といった自社内での比較表現が多用されています。
一方、アメリカでは比較広告は消費者にとっての情報提供手段として広く認められています。他社名を具体的に挙げて「当社製品の方が価格も安く、性能も優れています」といった直接的な比較も許容されています。競争が激しい市場では、比較広告を通じて消費者にインパクトを与え、選択肢の中で自社製品を選んでもらうきっかけを作っています。アメリカにおける比較広告は「真実であり、誤解を招かず、競合他社の製品やサービスを誹謗中傷しない」限り許可されており、下記のようなガイドラインが設定されています。

• 広告での主張は、事実に基づく証拠とデータによって裏付けられていること。
• 比較は、関連性があり検証可能な製品やサービスの属性に基づいて行われること。
• 競合他社の製品やサービスに関する虚偽または根拠のない主張は行わないこと。
• 比較は、消費者を混乱させたり誤解させたりしないように提示すること。

アメリカで比較広告が普及した背景には、「表現の自由」と「消費者保護」という価値観があります。1970年代に連邦取引委員会が比較広告を積極的に推奨したことで、広告主が自社製品を正当に比較することが消費者にとって利益になるという認識が浸透したのです。
アメリカの比較広告の代表的な成功事例としては、Appleの「Get a Mac」キャンペーンが有名です。このキャンペーンでは、MacとWindows PCを擬人化したキャラクターを使い、Macのシンプルさや操作性の良さをコミカルにアピールしました。例えば”Accident”という回では、Windows PCは車椅子に乗って、腕にギプスをはめており、誰かが彼の電源コードにつまずいたときに、机から落ちたと説明します。それに対し、Macは「MacBookのMagSafeならそんなこと起こらないよ」と指摘します。このキャンペーンは消費者に強い印象を与え、Macのブランドイメージ向上と販売増加に大きく貢献しました。

1990年代初頭、アメリカの家庭用ゲーム機市場では任天堂(SNES)とセガ(Genesis)の間で熾烈なシェア争いが繰り広げられていました。セガは「Genesis Does What Nintendon’t(ジェネシスはニンテンドーにはできないことをする)」というキャッチフレーズを掲げ、任天堂を名指しで批判する攻撃的な比較広告を展開しました。
このCMでは、Genesisの優れた処理速度や、より豊かな音楽表現、スポーツゲームの充実ぶりを強調し、あたかもSNESが古くさく感じられるような演出を行いました。スポーツゲーム好きの若年層を中心に大ヒットし、セガは当時の北米市場で一時的にシェアトップを奪う勢いでした。
携帯型ゲーム機市場でも、任天堂のゲームボーイとセガのゲームギアの間で比較広告が繰り広げられました。ゲームギアは「フルカラー画面」と「テレビチューナー」など、当時としては革新的な機能を搭載し、「白黒画面のゲームボーイでは物足りない」というメッセージをCMで強調しました。「もしゲームボーイが退屈なら、ゲームギアのカラーで遊べ!」という広告コピーを使い、カラー画面の魅力を前面に押し出したのです。
一方、任天堂のゲームボーイは電池持ちの良さや耐久性、そして圧倒的なソフトラインナップで対抗しました。直接的に「ゲームギア」とは言わずとも、「電池持ちが悪いのは誰でしょうね?」といったニュアンスで競合機種へのカウンターメッセージを展開し、消費者に自社製品の実用性を印象付けました。

現在のアメリカでも比較広告はテレビやデジタルメディア、SNS広告で活用されています。特にSNS広告ではターゲティングが進み、競合商品のファン層を狙い撃ちした比較広告が増えています。ただし、誇大広告や誤解を招く表現があればすぐに批判が集まるため、企業は正確性や透明性を重視し、根拠データや比較試験の結果を示す広告が増えています。

ぜひ一緒にCreateしましょう!

お問い合わせ