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2025/07/08(TUE)

スタッフブログ

ドン・キホーテの「偏愛めし」に学ぶニッチ戦略

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は、「ドン・キホーテの「偏愛めし」に学ぶニッチ戦略」についてお話します。

「偏愛めし」は、2023年11月1日にドン・キホーテが展開を開始した弁当・総菜ブランドです。その開発コンセプトは、ずばり「みんなの75点より、誰かの120点」。つまり、多くの人に無難に受け入れられる商品ではなく、特定の人から圧倒的な人気を獲得する商品を目指しています。開発者自身が「好きな人は絶対に好き!」と確信を持てる、個性的な偏愛メニューが数多くラインナップされています。

「偏愛めし」シリーズの商品ラインナップをいくつかご紹介します。
・新コリコリコリコリきくらげ中華丼:中華丼のきくらげが少なすぎて増やしていったら全部きくらげになってしまったという発想から生まれた中華丼
・ころもが主役のチキンカツ弁当:ソースが染み込むしっとりぶ厚いころもを追求し、ソースが染みたジューシィなころもで白メシをかき込むための弁当
・背徳のガーリックペペロンチーノ:ニンニクにまみれたパスタが食べたいという欲望を形にした、ニンニク1玉分以上を使用したペペロンチーノ
これらの商品は、普通のお弁当やお惣菜では脇役の食材にスポットを当てたり、お酒に合うことだけを考えて作られたりと、特定の人の嗜好に刺さるものばかりです。

さて、ここで一つ考えてみたいのが「万人受けする商品」の問題点です。従来のマスマーケティングは、できるだけ多くの人に受け入れられることを重視してきました。しかし、現代は価値観が細分化し、ライフスタイルや嗜好も人それぞれです。そんな時代に「誰にでも好かれそうな無難な商品」を作ろうとすると、どうしても特徴の薄い“平均的”な商品になってしまいがちです。結果として、強く刺さるポイントがないために選ばれず、消費者の記憶にも残りません。加えて、消費者は単に味や品質だけでなく、「自分に合っているか」「どんな背景で作られたか」といったストーリー性や共感にも価値を見出すようになっています。そのような中では、没個性的な商品では心を動かせず、選ばれないリスクがより一層高まります。

「偏愛めし」のようなニッチ戦略には、多くのメリットと強みがあります。
まず、ニッチ市場では顧客の嗜好が明確であるため、商品開発の方向性がぶれにくく、明確なターゲットに訴求することが可能です。特定層に強く響く商品は、その独自性から価格競争に巻き込まれにくく、ブランド価値を維持しやすいという特徴があります。さらに、特定のニーズを持つ消費者はその商品やブランドへの愛着が深まりやすく、リピーターやファンが生まれやすい点も魅力です。

また、ニッチ市場には競合が少ないことが多く、広告費などのマーケティングコストを抑えつつ、高い費用対効果を得ることができます。市場が小さい分、限られた予算でもインパクトのあるマーケティングが可能で、中小企業やスタートアップにとっても参入しやすい環境と言えます。さらに、大手企業が手を出しにくい領域であればあるほど、そこに潜む「独占的なポジション」を確立できる可能性もあります。

「偏愛めし」は、まさにそうしたニッチ戦略を体現したシリーズです。万人受けを狙わず、特定の“好き”にとことん寄り添う姿勢が、SNSなどでも話題となり、新たな市場とファン層を生み出しました。

価値観が多様化する今の時代において、全員に好かれる商品を目指すよりも、「誰か一人に深く愛される商品」を作る方が、結果として強いブランドと持続的な支持を得られるのかもしれません。皆さんも、自社の商品やサービスにおいて、誰かの120点を目指すアプローチを検討してみてはいかがでしょうか。

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