コラム
こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。
本日は「PlayStation3とWii」についてお話します。
「PlayStation3(以下、PS3)」と「Wii」はいずれも2006年にSONYと任天堂から発売された家庭用ゲーム機です。
同じ年に発売された2つの家庭用ゲーム機ですが、両者は性能面のみならず、
マーケティング戦略を見ても大きな違いがあります。
本日はマーケティングにおけるそれぞれの立ち位置と、売り上げ結果の理由についてお話します。
まず、それぞれの売り上げの話をすると、
平成19年度上半期の世界販売台数は、PS3が202万台、Wiiが733万台とWiiの圧倒的勝利となりました。
ですが機能面に着目すると、当時の最新CPUを搭載し、ブルーレイディスクまで使えるPS3が明らかに優位でした。
にもかかわらず、Wiiが売り上げ数でPS3に勝利したのは、
任天堂が「スペックに注目するのではなく、顧客が求めるメリットやベネフィットを追求した」ためであると言われています。
任天堂が行ったような「製品・サービスの本質であるメリットやベネフィットの追求」は「価値提案」と呼ばれるものです。
このブログで何度かお話していますが、顧客が求めるものは「商品・サービス」ではなくそれらがもたらしてくれる体験・価値です。
それぞれの「価値提案」はPS3が「高音質・高画質でゲームを楽しめる上、
Blu-rayまで観賞できる」でWiiが「一人でもみんなでも気軽に楽しめる、親しみやすいゲーム機」といったところでしょうか。
PS3はハイスペックを極めた結果、いわゆる玄人向けのゲームが多くなり、
「みんなで気楽に遊べる」コンセプトのゲームソフトの本数が少なくなってしまいました。
対してWiiは機能面ではPS3に劣るものの、Wiiリモコンを使ってアクティブに、
多様なゲームを楽しめるという魅力があります。
また、複数人での遊ぶことが可能になったため、これまでゲームをしてこなかったファミリー層を顧客として獲得し、
Wiiは膨大な数の買い手を持つことができたのです。
この話から、機能は売り上げ数に必ずしも直結しないということがわかります。
他社と比べてスペックが劣っているとしたら、
自社製品・サービスにそれを凌ぐような魅力を見出し、それを宣伝することが売り上げをかなり左右することになります。