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2024/28/06(FRI)

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「枯れた技術の水平思考」とは

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皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。
今週は「枯れた技術の水平思考」という考え方を紹介します。
「枯れた技術の水平思考」とは、すでに広く使用されてメリット・デメリットが明らかになっている既存の技術を、
既存の商品とは異なる使い方をしてまったく新しい商品を生み出すという考え方です。
これは任天堂の開発第一部初代部長であり、「携帯ゲームの父」と呼ばれている横井軍平さんのモノづくりにおける哲学です。
広く普及している技術ならば、安定して使うことができ、
仮に問題が起こったとしても対処法が確立しているため対処しやすいというメリットがあり、
さらに最新技術を使うよりも開発費用を抑えることもできます。

横井軍平さんが「携帯ゲームの父」と呼ばれているのはゲーム&ウォッチ、
ゲームボーイの開発に携わっているからです。
これらも「枯れた技術の水平思考」の考えのもと、開発されました。
ゲーム&ウォッチは電卓の液晶表示技術をそのままポケットサイズのゲームに応用したものですが、
爆発的にヒットしました。
ゲーム&ウォッチで得た利益で当時の任天堂が抱えていた莫大な借金を完済できただけでなく、
ファミコン開発にも投資されました。ゲーム&ウォッチのヒットは任天堂がコンピュータゲーム路線になるきっかけになりました。

ゲームボーイはファミコンの6年後に発売された携帯ゲーム機で、
カラーゲームが普及している中あえてモノクロ画面が採用されています。
これには理由があり乾電池で動かさなければならない携帯ゲーム機でカラー画面を採用してしまうと稼働時間が大幅に短くなってしまうからでした。
当時は「いまさらモノクロのゲームで売れるのか?」といった疑問が社内でもあったようですが、
結果として「ゲームギア」や「リンクス」といった他社の高性能携帯ゲーム機との競争に勝ち、
携帯ゲームの中でトップシェアを誇りました。
横井さんは1997年に交通事故により亡くなってしまいましたが、
横井さんの「枯れた技術の水平思考」の精神は今でも任天堂に根付いています。

代表的なのはニンテンドーDS、ポケモンGOでしょう。
ニンテンドーDSは当時すでに一般的であったタッチパネルの技術をゲームに応用することで爆発的にヒットし、
全世界で1億5千台以上売れました。
グラフィックもスペックも同時期に発売された「PlayStation Portable」より劣っていましたが、
タッチ操作という今までにない操作方法により今までゲームで遊んでいなかった世代にまで普及しました。
ポケモンGOはGPSとAR技術というどちらもかなり一般的になっている技術を組み合わせることで新しいゲーム体験を生み出すことに成功しています。

今回は任天堂の製品から紹介していましたが、
もちろん任天堂以外でも「枯れた技術の水平思考」に通じる考えのもと開発された製品は0系新幹線、魚群探知機、iPhoneなど様々です。
もちろん最新技術を活用するのもよいと思いますが、
既存の技術でほかに何かできることがないか考えてみるのもよいかもしれませんね。

ぜひ一緒にCreateしましょう!

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