コラム
こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。
本日は「卒業シーズンのプロモーション」についてお話します。
3月は「卒業」をテーマとしたキャンペーンや商品展開、などが多くみられるようになります。
対象の多くは学生や新社会人など新しい場所に向かうイメージがありますが、
今回はそのような一般的な形とは少し異なる「卒業」を題材にしたものをご紹介いたします。
東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)は高速道路の管理運営や建設事業、高速道路関連ビジネスを行っています。
そんなNEXCO東日本は2019年、社会問題のひとつとして度々報道される「高速道路の逆走」を防止するためのロードムービーを公開しました。
その内容は、「運転卒業」というテーマで、免許返納を迷っている78歳の男性ドライバーが、
73歳の妻とともに「運転卒業」の最後のドライブに出るというストーリー。
配信後には、SNSでも「こんなにいい発想があるとは」と反響がありました。
NEXCO東日本は、道路の逆走は過半数が65歳以上のドライバーによるものだという事実を踏まえ、
高齢ドライバーの運転について、本人だけでなく家族で一緒に話し合うことの大切さを伝えるためこのロードムービーを公開しました。
卒業は別れを伴う節目です。
淋しげなイメージも想起されますが、この「運転卒業」は、家族みんなで新たな一歩を踏み出すというポジティブな印象があります。
また、この動画は「高齢ドライバーによる車の運転や高速道路の逆走防止を家族で話し合うことの大切さを理解いただくこと」が目的であるとされています。
「運転卒業」の企画は、免許返納が目的ではなく、
あくまで「家族で話し合うこと」の大切さを伝えようとするものとしています。
つまり、高齢ドライバーに該当する人だけでなく、その家族や孫にあたる人たちにとっても自分事化しやすくしてあるのです。
NEXCO東日本のロードムービーは、自社の領域である「交通安全促進」を、
その対象を狭めることなく「卒業」という季節的なテーマに見事に落とし込んだのです。
先ほど述べたように「卒業」は次のステップに移る人々が対象になりますが、
それは学生や若い社会人に限らないのだと、新しい視点を与えてくれる一例でもあります。