コラム
こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。
本日は「香りマーケティング」についてお話します。
香りマーケティングとは、嗅覚を通じて商品や店舗のブランドイメージを伝えるというマーケティング手法です。
「特定の匂いを嗅ぐことによってその匂いを嗅いだ時の記憶や感情が蘇る現象」をプルースト効果といいます。
香りマーケティングはこのプルースト効果を利用しています。
香りと嗅いだ時の経験とがリンクして記憶されたり思い起こされたりすることを
活かし、販売促進やブランドイメージの定着、売上向上に繋げている企業が存在します。
今回はその具体的な効果と例をご紹介いたします。
ひとつ目の効果は香りによる差別化です。
商品のパッケージや店舗の内装と同様に、香りも独自のコンセプトを表現するもののひとつです。
そして特徴的な匂いはより消費者の記憶に残りやすく、同様に商品の印象も記憶されやすくなります。
ちなみに、香りマーケティングを目的に、自社のブランドイメージに基づいて独自に開発した香りのことを「ブランド・セント」といいます。
ふたつ目に、香りマーケティングには、顧客の感情を動かし購買意欲を持たせる効果があります。
例えば爽やかなブランドイメージを持たせたい場合は柑橘系などのフレッシュな香りを店舗に満たすことが効果的です。
商品や販売スタイルの特性に適した香りにより、そこから購買を促進させることもできます。
リラックスできる香りは顧客と店員で会話の多いショップにおいては、顧客の緊張を緩和し、
顧客の意識を商品に集中させ購買意欲を増やすことができるでしょう。
しかしこれらは香りとブランドイメージと合致している場合に限った話です。
香りマーケティングを図る上で最も重要なのは、店舗やブランドに合う香りかどうかという点です。
香りとブランドイメージの乖離による違和感が生まれてしまうと香りマーケティングの効果は弱くなってしまいます。
適切な香りを吟味することが求められます。
香りマーケティングの具体例をご紹介いたします。
ひとつ目は東京スカイツリーにあるすみだ水族館です。
この水族館は、「リラックス空間としての水族館」というコンセプトを持っていて、
各ゾーンや時間帯に合わせて香りによる演出が行われています。
エントランスにはリラックス効果のある「Arobalance(アロバランス)」と呼ばれる香りを用い、来場者がゆっくり館内を周って楽しんでもらえるようにしています。夕方以降は大人のデート空間としても楽しめるよう、
落ち着いた香りの「レッドウッド」に切り替えるなど、香りによる空間の演出を行っています。
また別のエリアでは、夏と秋は清涼感、冬と春は甘みのあるフローラルの香りと季節によって香りを変え、
来るたびに違う香りを楽しめるようにしています。
ふたつ目にご紹介するのは、全日本航空(ANA)の香りマーケティングです。
ANAは、ブランドテーマの「Inspiration of JAPAN」というコンセプトに合うよう配合されたアロマを、
空港のラウンジや機内で提供されるおしぼりやハンドソープに使用しています。
至る所に独自の香りを使用し、ブランドイメージと強く結びつかせているのです。
ちなみに、この香りを配合したアロマオイルはオンラインショップでも販売されているそうです。
香りマーケティングの使い方は今回ご紹介した例の他にも、様々なものがあります。
普段何気なく利用しているお店や商品にもその要素があるかもしれません。
いつもより香りや匂いに意識を傾けて、香りマーケティングを探してみてはいかがでしょうか。