コラム
こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「イケア効果」についてお話します。
イケア効果とは、自分が作ったものに本来以上の価値を感じる心理効果のことです。名前はスウェーデン発祥の家具小売業者IKEAに由来しています。IKEAの家具は購入者自身が組み立てる必要があるため、この効果が発現して組み立てた家具に愛着が湧きやすいとされています。
イケア効果が発揮されるのは、最初から最後まで自分の手でつくることに成功した場合のみとされます。途中の工程にのみ参加した場合や、完成させることに失敗した場合などでは、イケア効果は得られにくいのです。
この効果は、組み立て家具のみならず、様々な製品の中に見られます。イケア効果がきっかけとなって売れた商品の一例としてホットケーキミックスが挙げられます。発売初期のホットケーキミックスは、粉に水を混ぜて焼くだけという非常にシンプルな商品でした。水さえあれば自宅で簡単にホットケーキを作れることが売りでしたが、当時はあまり売れ行きが伸びなかったとされます。そこで、水だけでホットケーキを作れる商品から、ホットケーキを作るために卵や牛乳が必要となる商品へ変更しました。
するとホットケーキミックスの売り上げはアップし、広く親しまれる商品になったといいます。敢えて「卵や牛乳を加える」という手間をプラスしたことで、消費者は「自分でホットケーキを作った」実感を得られるようになりました。消費者の手間を増やすことでホットケーキミックスの商品としての魅力が高まったのです。
先程述べた通り、自分の手でものを作ることに失敗した時、イケア効果は得られにくいとされています。そのため、イケア効果を狙った製品設計をする場合は煩わしすぎず、難しすぎないひと手間を上手く組み込むことが求められます。