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皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は7/15の「ファミコンの日」にちなみ、「ファミコン大ヒットの背景」についてお話しします。

7/15は「ファミコンの日」と呼ばれています。日本記念日協会に登録されているものではありませんが、1983年7月15日に任天堂が家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」を発売したことに由来しており、メディアやゲーム雑誌などでは「日本のゲームが家庭にやってきた最初の日」と言われています。

1983年に任天堂が発売した8ビット家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」は、赤と白の特徴的な本体デザインで、発売当時の価格は14,800円でした。テレビに接続して遊ぶカセット交換式のゲーム機であり、家庭にいながらアーケードゲームに匹敵する体験ができることがセールスポイントでした。発売後徐々に人気が広がり、『スーパーマリオブラザーズ』(1985年)や『ドラゴンクエスト』(1986年)などの大ヒットソフトと共に一大ブームを巻き起こし、最終的に世界累計6,291万台を出荷されました。

ファミコンが発売された当時、既に複数の家庭用ゲーム機(セガの「SG-1000」やカシオの「PV-1000」、トミーの「ぴゅう太」、日本物産の「マイビジョン」など)が市場にあり、ファミコンは後発の参入でした。そのような状況下でファミコンが空前の大ヒットを記録したのは、ひとえに他社製品に対する優れた製品戦略の賜物です。

ファミコンは競合機とほぼ同じ価格帯(15,000円前後)でありながらゲーム専用機として高い性能を実現していました。例えば、同日発売のSG-1000や数ヶ月後発売のPV-1000も14,800~15,000円程度でしたが、ファミコンほどのグラフィック表現力や音源性能は備えていませんでした。ファミコンは高性能8ビットCPUと専用グラフィックチップによりアーケードゲーム並みの映像・音楽を家庭で再現でき、「同価格帯なのに圧倒的に遊べる」という商品力で他社をリードしました。

さらに1984年以降、ナムコやハドソンといった有力ゲームメーカーが次々参入し、ソフトの種類と数が爆発的に増加します。サードパーティー製タイトルの豊富さによってユーザーの選択肢が広がり、「遊びたいゲームがファミコンに揃っている」状態を作り出しました。一方で競合機は自社開発や一部の移植作に頼らざるを得ず、タイトル数が限定的でした。例えばSG-1000は累計でも約70本弱のソフトしか出ず、PV-1000に至っては予定15本中13本の発売に留まり早々に撤退しています。ソフト資源の差が時間とともに市場シェアの差となり、ファミコンの優位性を決定づけました。

ファミコンの爆発的ヒットには時代背景も後押しがありました。1985年の風適法改正で18歳未満の夜間のゲームセンター立ち入りが規制されると、子どもたちは家で遊べる家庭用ゲームに一層熱中するようになります。またファミコンは玩具店だけでなく家電量販店でも販売され、値下げ戦略もあって一般家庭に普及が進みました。1980年代末には小中学生のいる家庭のほとんどにファミコンが行き渡り、友達の家に集まって対戦したり、学校で攻略情報を話し合ったりと、子ども文化の中心に「ファミコン」が存在していました。

ファミコンは発売から数十年経た今でも、そのブランド知名度は色あせていません。「ファミコン」という名前自体がテレビゲーム機全般の代名詞となり、今でも初代『マリオ』や『ゼルダ』といった名作が遊ばれ続けています。2016年には復刻版「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」も発売され、大きな反響を呼びました。他の昭和のゲーム機とは一線を画し、ファミコンだけは別格の存在感を放っています。世代を超えて愛されるファミコンは、時代を超えたエンターテインメントの象徴と言えるのかもしれません。

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は「企業YouTubeとして異例の成功を成し遂げた有隣堂」についてお話しします。

有隣堂は神奈川県横浜市に本社を置く、創業から115年を超える老舗書店チェーンであり、神奈川県を中心に首都圏や関西に約40店舗を展開しています。紙の本の売り上げが低下し続けている現在では、書籍・文具の販売に加え、事務機器や楽器の販売、出版事業、図書館や地区センターの運営業務など多岐にわたる事業を展開しています。

そんな有隣堂が2020年6月30日に開設した公式YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」は、企業公式チャンネルとして異例の成功を収めています。2024年8月21日には、開設から1514日目(4年1ヶ月22日目)でチャンネル登録者数が30万人を突破し、現在では38万人を超えています(2025年7月10日現在)。これは、企業公式チャンネルとしては非常に高い数値であり、他の書店のYouTubeチャンネル登録者数が数千人から1万5千人程度である中、有隣堂だけが独走状態と評価されています。

「有隣堂しか知らない世界」のチャンネルコンセプトは「有隣堂のファンづくり」。書店は価格や品質、サービスで他社との差別化が難しい中、YouTubeを通じて有隣堂を知ってもらい、ファンになってもらうことを目的としています。動画は毎週火曜日に更新され、ミミズクをモチーフとしたキャラクター「R.B.ブッコロー」と、様々な分野に特化した「案内人」と呼ばれるゲストが出演し、書籍、文具、食品、雑貨、オフィス機器などをテーマに商品を紹介しています。動画タイトルは基本的に「○○の世界」であり、この「○○」にはその動画のテーマが入ります。

書店公式YouTubeと聞くと、書評や書店員によるオススメ本の紹介といった動画内容をイメージするのではないでしょうか?しかし「有隣堂しか知らない世界」では初回のテーマである「キムワイプ」をはじめとして、「レクサス」や「ログハウス」など有隣堂では取り扱っていない商品やそもそも書店とは一切関係のないテーマも数多く登場します。これがこのチャンネルの最大の特徴です。もちろん「読書用品の世界」や「作家の一日に密着」「書店の歩き方」といった書店ならではのテーマも存在します。

チャンネル開設のきっかけは、現社長の松信健太郎氏の「動画はこれから伸びるコンテンツ。やってみよう!」という一言でした。当初のチャンネルは「書店員つんどくの本棚」という名前で、書店員が書籍を紹介する内容でしたが、再生数や登録者数が伸び悩みました。そこで、動画クリエイターのハヤシユタカ氏が参加し、2020年6月に現在のチャンネル名と動画スタイルにリニューアルされました。以降、チャンネル登録者数は急増し、2021年には約36倍に増加して10万人を突破しました。

さらに、企業公式チャンネルとしては異例の生配信も行われています。2025年6月29日には、チャンネル開設5周年を記念して「ブッコロー1日店長!10時間密着生配信」が実施されました。このイベントでは、公式キャラクターのR.B.ブッコローが有隣堂伊勢佐木町本店の特設レジで接客を行い、その様子が10時間にわたってYouTubeで生配信されました。最大同時接続数は3,000人を超え、チャット欄には9,000件以上のコメントが寄せられるなど、大きな反響を呼びました。また、当日の伊勢佐木町本店の売上は過去20年間で最高実績を記録し、他店舗でも売上が伸長するなど、書店業の売上にも大きく貢献しました。

このような取り組みにより、有隣堂での買い物を「推しに課金してきた」と表現するファンも現れるなど、書店業の売上にも貢献しています。

「有隣堂しか知らない世界」は、企業公式チャンネルとしては異例の成功を収めており、書店業界における新たな可能性を示しています。今後も有隣堂の取り組みに注目です!

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は、「ドン・キホーテの「偏愛めし」に学ぶニッチ戦略」についてお話します。

「偏愛めし」は、2023年11月1日にドン・キホーテが展開を開始した弁当・総菜ブランドです。その開発コンセプトは、ずばり「みんなの75点より、誰かの120点」。つまり、多くの人に無難に受け入れられる商品ではなく、特定の人から圧倒的な人気を獲得する商品を目指しています。開発者自身が「好きな人は絶対に好き!」と確信を持てる、個性的な偏愛メニューが数多くラインナップされています。

「偏愛めし」シリーズの商品ラインナップをいくつかご紹介します。
・新コリコリコリコリきくらげ中華丼:中華丼のきくらげが少なすぎて増やしていったら全部きくらげになってしまったという発想から生まれた中華丼
・ころもが主役のチキンカツ弁当:ソースが染み込むしっとりぶ厚いころもを追求し、ソースが染みたジューシィなころもで白メシをかき込むための弁当
・背徳のガーリックペペロンチーノ:ニンニクにまみれたパスタが食べたいという欲望を形にした、ニンニク1玉分以上を使用したペペロンチーノ
これらの商品は、普通のお弁当やお惣菜では脇役の食材にスポットを当てたり、お酒に合うことだけを考えて作られたりと、特定の人の嗜好に刺さるものばかりです。

さて、ここで一つ考えてみたいのが「万人受けする商品」の問題点です。従来のマスマーケティングは、できるだけ多くの人に受け入れられることを重視してきました。しかし、現代は価値観が細分化し、ライフスタイルや嗜好も人それぞれです。そんな時代に「誰にでも好かれそうな無難な商品」を作ろうとすると、どうしても特徴の薄い“平均的”な商品になってしまいがちです。結果として、強く刺さるポイントがないために選ばれず、消費者の記憶にも残りません。加えて、消費者は単に味や品質だけでなく、「自分に合っているか」「どんな背景で作られたか」といったストーリー性や共感にも価値を見出すようになっています。そのような中では、没個性的な商品では心を動かせず、選ばれないリスクがより一層高まります。

「偏愛めし」のようなニッチ戦略には、多くのメリットと強みがあります。
まず、ニッチ市場では顧客の嗜好が明確であるため、商品開発の方向性がぶれにくく、明確なターゲットに訴求することが可能です。特定層に強く響く商品は、その独自性から価格競争に巻き込まれにくく、ブランド価値を維持しやすいという特徴があります。さらに、特定のニーズを持つ消費者はその商品やブランドへの愛着が深まりやすく、リピーターやファンが生まれやすい点も魅力です。

また、ニッチ市場には競合が少ないことが多く、広告費などのマーケティングコストを抑えつつ、高い費用対効果を得ることができます。市場が小さい分、限られた予算でもインパクトのあるマーケティングが可能で、中小企業やスタートアップにとっても参入しやすい環境と言えます。さらに、大手企業が手を出しにくい領域であればあるほど、そこに潜む「独占的なポジション」を確立できる可能性もあります。

「偏愛めし」は、まさにそうしたニッチ戦略を体現したシリーズです。万人受けを狙わず、特定の“好き”にとことん寄り添う姿勢が、SNSなどでも話題となり、新たな市場とファン層を生み出しました。

価値観が多様化する今の時代において、全員に好かれる商品を目指すよりも、「誰か一人に深く愛される商品」を作る方が、結果として強いブランドと持続的な支持を得られるのかもしれません。皆さんも、自社の商品やサービスにおいて、誰かの120点を目指すアプローチを検討してみてはいかがでしょうか。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。今回は「メタバース普及への期待と現実」についてお話します。2020年代初頭、世界中でメタバースへの関心が高まっていました。仮想空間上での交流や経済活動が現実世界と並行して展開され、人類の生活に変革をもたらすことが期待されていました。特に2021年、Facebookが社名を「Meta」に変更したことで、メタバースは次世代インターネットの象徴として大きな注目を集めました。2022年の予測では、メタバース市場は2030年までに数千億ドル規模に成長すると見込まれていました。
しかし、現在のところメタバースの普及は予測を下回り、多くの企業や投資家がその実用性や収益化に関した課題に直面しています。なぜメタバースはここまで伸び悩んでいるのか、その理由を挙げていきます。

まず、VRやAR機器の普及率が低いことが原因として考えられます。現在、VRヘッドセット所有者は一部に留まっています。メタバースを利用するために必要な機器の価格が数万円から数十万円と高額であるため、消費者の購入障壁となっています。スマートフォンのように1人1台の所有が一般的にならなければ、技術として社会に浸透することは難しいでしょう。また、ユーザーからは没入感の不足や長時間使用による疲労、酔いといった体験面での課題も報告されており、ユーザーが日常的に使い続ける快適さにはまだ達していないといえます。

また、メタバースの利用目的やコンテンツも十分に明確化されておらず、一般消費者からは「メタバースで何をすればよいかわからない」との声も多く上がっています。技術だけが前面に出されてしまい、明快な便利さのアピールに欠けていると言えます。こうしたことから、日常的に気軽に利用される既存のソーシャルメディアや動画配信サービスに比べて、メタバースは利用のハードルが高いと評価されています。

他方、仮想通貨などを活用したメタバース上での経済圏の構築が期待されましたが、技術面での課題に加え仮想通貨の価格変動といった情勢の不安定さにより企業や投資家の参入が難しくなっていると考えられています。さらに、プライバシーや法規制に関する不透明さ、不完全さも企業の事業展開にとってリスクとなっており、実用化はまだ見込めていないようです。
社会的・心理的な側面でも、仮想空間に長時間滞在することに対して「現実逃避」や「孤立感」を感じるユーザーが一定数存在し、また未知の技術に対する抵抗感も社会全体に見られます。さらに、多くのユーザーはスマートフォンやPCによる既存のアプリケーションの利便性を高く評価しており、「今の技術で事足りているため、わざわざ専用のデバイスを使って仮想空間に入る必要性を感じない」という声も少なくありません。

大きな期待を背負っていたメタバースですが、技術の未成熟、利用動機の不明確さ、ビジネスモデルの脆弱さ、プライバシーに関するリスク、そして社会文化的受容の難しさといった複数の課題が未だ山積みであり、世界全体での普及はまだ遠いように思われます。短期間で社会全体での普及を目指すよりも、これらの課題を克服しながら、まずはゲームやバーチャルライブ、リモートワーク支援など適合性の高い分野での普及と進化を目指し、そこから段階的に浸透を目指すのが現実的なアプローチといえるでしょう。

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は、「粗利率45%⁉ 町の電気屋さん『ライフテクト ヤマグチ』のビジネスモデル」についてご紹介します。

「ライフテクト ヤマグチ」は、1965年に山口勉氏が自宅の物置を改装して創業した、小さな町の電気屋さんからスタートしました。創業当初は、地域の家電修理を中心に事業を展開していましたが、その後、パナソニックの特約店となり、家電製品の販売にも進出。順調に成長していったように見えました。

しかし、1990年代半ば、大きな転機が訪れます。家電量販店の台頭により価格競争が激化し、加えて自社店舗を拡大したことによる経費増加も重なり、経営は深刻な局面を迎えました。この時、借入金はなんと1億9000万円にまで膨れ上がっていたといいます。

そんな危機的な状況の中、山口氏は「安売りをやめる」という大胆な経営方針の転換を決断します。量販店との価格競争に対抗するのではなく、逆に“価格以外の価値”で勝負する戦略です。つまり、利益率を維持・向上させるために、価格ではなくサービスで顧客を惹きつけるビジネスモデルへの移行を図ったのです。

そこで生まれたのが、「ヤマグチの裏サービス」と呼ばれる独自の取り組みです。これは、単なる家電の販売・修理にとどまらず、お客様の生活全体を支えるような“かゆいところに手が届く”サービス。例えば
・「お店まで車で送迎してほしい」
・「旅行中、ペットにエサをあげてほしい」
・「テレビ番組の録画予約を代わりにしてほしい」
など、一般的な電気屋さんでは対応しないような依頼にも、可能な限り応えています。

このサービスを可能にしているのが顧客担当制度です。ヤマグチでは社員一人につき約350名の顧客を担当し、その一人ひとりと密接な関係を築いています。この制度の目的は、単なる販売ではなく「生活の相談相手」として信頼を得ることにあります。担当者は、定期的に顧客宅を訪問し、家電の使用状況や困りごとをヒアリングします。例えば、季節の変わり目にはエアコンやストーブの点検、年末には冷蔵庫のメンテナンス提案など、「売って終わり」ではない継続的なフォローアップを徹底しています。このような体制により、顧客の信頼を獲得すると同時に、自然な流れで買い替えやリフォームなどの提案につなげることが可能になります。つまり、無理に売らずとも“相談の延長線上で売れていく”仕組みができているのです。

また、得意客に集中するために「過去5年間で購入がない顧客」や「店舗から地理的に離れた顧客」は名簿から外すという方針をとっています。これは、数を追うのではなく、「自分たちがきちんと対応できる範囲に絞って深く関係を築く」という、非常に合理的かつ持続可能な戦略です。これにより、顧客満足度を上げつつ業務効率化を実現しています。

このように、ライフテクト ヤマグチでは、製品を売ること以上に「顧客との信頼関係」を重視し、その信頼の上に成り立つサービスによって、他店よりも高い価格であっても納得して購入してもらう仕組みを構築しました。その結果、粗利率は45%を達成し、なんと28年連続で黒字経営を続けるという“超優良企業”へと成長したのです。

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は近年私たちの生活の中でますます存在感を増している「プロテイン食品の急成長」についてお話しします。

かつて「プロテイン」といえば、筋トレ愛好家やアスリートが摂取する特殊な栄養補助食品というイメージがありました。しかし今では、コンビニやスーパーで手軽に購入できるプロテイン商品が急増し、幅広い層に受け入れられる一般的な食品カテゴリーとして定着しています。タンパク補給食品の国内市場は2018年で約1,700億円だったのが、2023年には約2,700億円にまで成長しており、わずか5年で1.5倍以上に成長しています。このことからも成長スピードの速さがうかがえます。

このような急成長の背景には、消費者のプロテインに対するイメージの大きな変化があると考えられます。以前は「筋肉を大きくしたい人が飲むもの」「ハードな運動後に飲むもの」といったイメージが根強く、日常的な摂取には結びつきませんでした。しかし近年では、「美容や健康のために必要な栄養素」「不足しがちなタンパク質を補う手軽な手段」として認識されるようになっています。SNSや健康志向の高まりも後押しし、プロテイン=筋肉のためという限定的な認識から、プロテイン=毎日の生活を支える栄養素というイメージへと広がったのです。

特に女性や高齢者の間でこの傾向は顕著で、「美しく引き締まった体づくり」や「健康寿命の延伸」といった目的で日常的にプロテインを摂取する人が増えています。また、手軽に摂取できる飲料タイプやスナック菓子、ヨーグルトなど商品のバリエーションが増えたことで、シーンを問わずプロテインを取り入れやすくなった点も、プロテイン食品の一般化に大きく貢献しています。

そんな中で、国内のプロテイン飲料市場で約8割という圧倒的なシェアを誇るのが、明治の「ザバスミルクプロテイン」です。現在では定番商品として多くの人に支持されていますが、実は発売当初の売上は振るわなかったことをご存知でしょうか?その理由は一般消費者をターゲットとしたことにあります。当時の商品名は「ザバスミルク」であり幅広い層にプロモーションをかけていましたが、購入するのはプロテイン慣れしている層がほとんどでした。そのため、web広告やスポーツジムでのサンプリングなど、ピンポイントでターゲットに届くプロモーションに変更し、商品名もプロテインを前面に打ち出したものに変更しました。そこに、、可処分時間の増加によるスポーツ人口の増加や、健康に不可欠な筋肉量を増やすための筋トレブーム、高タンパクダイエットの人気なども相まって、急速に売上が成長していきました。まさに時代が追い付いた形です。

今後、プロテイン食品の市場はさらに広がっていくと予想されます。新たな食習慣としてのプロテイン。皆さんも、自分のライフスタイルに合わせた形で、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「『味の素®』の世界進出の過程」についてお話します。「味の素®」は、初のうま味調味料として日本で誕生してから世界各地に広まりました。しかしその過程には、国や地域による受け入れ方の違いや、文化的な壁がいくつも存在しました。

まず、欧米では、味の素®に含まれるグルタミン酸ナトリウムに対して、長らく健康への懸念が根強くありました。そのきっかけになったのが1968年に発表された「中華料理症候群」の論文でした。それは、グルタミン酸ナトリウムの摂取により頭痛や胸の痛み、息切れなどが起こるという内容で、これによって「グルタミン酸ナトリウムを使用している味の素®は体に悪いのではないか」という考えが広まってしまいました。
そのような中で、味の素社は2000年代以降、「グルタミン酸ナトリウムは発酵によってつくられる自然由来のアミノ酸であり、安全性も国際的な公的機関で繰り返し確認されている」という情報を、医師や研究者と協力しながら発信し続けました。この啓発活動によって、徐々に認識が変わり、現在では「UMAMI(うま味)」という言葉がグローバルな料理用語として広まりつつあります。欧米のスーパーマーケットでも「UMAMI SEASONING」として販売され、スープや肉料理の味を引き立てる調味料として使われるようになっています。

欧米の普及には困難が伴った一方で、東南アジアや南米では、味の素®はより早く、より自然に受け入れられました。特にタイやフィリピン、ベトナム、インドネシアなどでは、料理における「うま味」の重要性がもともと文化の中に根づいていたため、受容されやすかったのだと考えられています。味の素®はその味付けを手軽に実現できる調味料として重宝されています。

このように、味の素®は各国で異なる受け入れられ方をしてきましたが、やがてどの国でも人々の暮らしに根づいてきました。欧米では一度失われた信頼を科学的な情報発信によって回復させ、東南アジアや南米では、より生活に密着した形で定着し、毎日の食卓を支える調味料となっています。世界中の家庭を目指したその歩みには、文化、経済、価値観といったさまざまな要素が反映されており、「味の素®」というひとつの調味料が、いかにして世の人々の食生活に寄り添ってきたかが見えてきます。

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は「ダンキンドーナツとミスタードーナツの関係性」についてお話します。

ミスタードーナツ55周年記念として6月4日に発売された「もちもちのその先へ」というコンセプトの新商品「もっちゅりん」は売り切れが続出するほど、人気を博しているようですね。このように、日本で愛され続けるミスタードーナツと「世界最大のドーナツショップチェーン」として知られているダンキンドーナツの間に深いつながりがあることはご存じですか?

実はダンキンドーナツとミスタードーナツは創業者同士が親族(義理の兄弟)関係にあるのです。ダンキンドーナツを創業したビル・ローゼンバーグ氏と、その義弟(妹の夫)であるハリー・ウィノカー氏は1950年代当時、共同で事業を進めていましたが、店舗の拡大方針を巡って考え方の違いが生じます。ローゼンバーグ氏が「全米に70店舗展開したい」と強気の拡大戦略を掲げたのに対し、ウィノカー氏は「今の6~7店舗で十分だ」と慎重な姿勢でした。この経営方針の食い違いから対立が深まり、遂に1956年にウィノカー氏は独立して自ら競合チェーン「ミスタードーナツ」を創業する道を選んだのです。ここから2つのドーナツチェーンの歴史が別々に動き始めました。

全米各地に展開するダンキンドーナツは、コーヒーを中心に朝食メニューも充実させた戦略で成長しました。アメリカではダンキンドーナツが圧倒的な存在感を示しています。1950年にマサチューセッツ州で創業したダンキンドーナツは、積極的なフランチャイズ展開によって店舗網を拡大し、1990年には競合だったミスタードーナツの米国事業を買収して自社ブランドに統合しました。これにより北米市場でのシェアを一気に拡大させています。その結果、現在では世界39か国に約14,000店を構える世界有数のコーヒー&ドーナツチェーンに成長しました。

ダンキンドーナツはドーナツだけでなくコーヒーやベーグル、サンドイッチなど多彩なメニューを提供し、忙しい朝の「手軽なカフェ」として定着しています。「America Runs on Dunkin’(アメリカはダンキンで走る)」というスローガンが2006年に生まれたほど、ダンキンドーナツはアメリカ人の生活に欠かせない存在となっているのです。近年では健康志向の高まりに対応してブランド名から“Donuts”を外し、コーヒーを中心としたブランドへと舵を切るなど、時代のニーズに合わせた柔軟な展開を行っています。

一方、日本ではミスタードーナツが独自の進化を遂げ、国民的ドーナツチェーンとして長年愛されてきました。ミスタードーナツは1971年に大阪府で日本1号店を開店しましたが、その際に本場アメリカの味付けを大幅に見直し、日本人の嗜好に合わせたメニュー改良が行われました。たとえばドーナツ生地の甘さや食感を調整し、和風のテイストを取り入れることで「ドーナツ=子供のおやつ」というイメージを払拭し、大人にも受け入れられる上品なおやつへと昇華させました。このような徹底したローカライズ戦略により、ミスタードーナツは日本市場で瞬く間に人気を博し、全国に店舗網を広げていきます。日本上陸から数十年にわたり国内ドーナツ業界トップの座を守り続けており、ピーク時には1,300店以上を展開するまでになりました。

余談ですが、現在ミスタードーナツの本場アメリカでの店舗はわずか1店のみとなっているのをご存知でしょうか。1990年にダンキンドーナツが米国のミスタードーナツ全店(当時約500店)を買収・吸収した後、ブランド統合によってその大半が姿を消してしまいました。しかしイリノイ州ゴッドフリーの1店舗だけはミスタードーナツとして営業を続けており、「アメリカ最後のミスタードーナツ」としてファンに親しまれており、日本人も一定の頻度で来店するそうです。日本では身近なミスタードーナツが、アメリカでは今やとてもレアな存在なのはとても面白いですよね。

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は「急成長を続けるグミ市場」についてお話します。
スーパーやコンビニでグミのコーナーに行くとあまりの種類の多さに圧倒されませんか?近年、グミ市場はかつてないほどの盛り上がりを見せており、グミ業界では競争が激化しています。

グミ市場の規模は実際どのように変化しているのでしょうか?データによると、2017年には555億円だった市場が2024年には1,100億円を超えており、わずか7年で2倍以上も成長しています。さらに、2025年には1,300億円を超えるとも予想されており、その拡大ペースは止まる気配がありません。特筆すべきは、この成長が一過性のブームでなく継続的に拡大し続けているという点です。つまり、グミは「流行りのお菓子」ではなく、「現代人の定番のお菓子」として定着しつつあるのです。

グミ市場が拡大を続ける裏で縮小を続けているのがチューイングガム市場です。2004年には1,881億円だった市場規模は、2024年には785億円にまで落ち込んでおり、20年間で約6割も減少しました。このようなガム市場とグミ市場の逆転から、方針転換をする企業も存在します。ロッテは30年以上前にグミの自社生産から撤退し委託生産を続けてきましたが、先日30億円投資により狭山工場でのグミの自社生産を再開しました。また、ノーベル製菓も2027年に生産設備約100億円を投じる方針となっています。

なぜグミはここまで私たちの心をつかみ、他のお菓子を差し置いて成長を遂げているのでしょうか?第一の理由は「食感の多様性」です。もちもち系、ハード系、ぷるぷる系など、ひとくちにグミといってもその食感は多種多様であり、食べる人の好みや気分に合わせて選ぶ楽しさがあり、飽きが来にくいのです。

第二の理由は「機能性グミの台頭」です。近年、健康志向の高まりとともに、ビタミンやミネラルを配合した機能性グミが注目を集めています。これらのグミは、手軽に栄養補給ができることから、忙しい社会人や健康を意識する若年層を中心に支持を得ています。また、睡眠の質を高める成分を含んだグミや、集中力をサポートする成分を配合したグミなど、特定の機能に特化した商品も登場しており、今後の市場拡大が期待されています。

第三の理由は「SNSとグミの親和性の高さ」です。グミの人気拡大には、SNSの影響も大きく関与しています。ユニークな形状やカラフルな見た目のグミは、写真映えすることから、InstagramやTikTokなどのSNSで頻繁に取り上げられています。特に、地球の形を模した「地球グミ」や、目玉の形をした「目玉グミ」など、インパクトのある商品は話題性が高く、若者を中心に人気を博しました。

今後どのようなグミが登場するのか?グミ業界に注目していきたいですね!