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皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今週はボールペンのポジショニング戦略についてお話します。

文章やレポートをパソコンで作成する現代でも、ボールペンは私たちの日常からは切っても切れない存在です。経済産業省の生産動態統計によると昨年のボールペン生産量は16.2億本となっており、私たちが日常でどれほどボールペンを使っているのかよくわかります。各文房具メーカーはこのようにボールペンが飽和している中で、自社製品をポジショニングするために日々研究開発を続けています。

三菱鉛筆が2003年に発売した「ジェットストリーム」は毎年秋に開催されている「OKB(お気に入りボールペン)48選抜総選挙」において、10年連続1位を獲得しており不動の人気を確立しています。ジェットストリームは低粘度油性インクの先駆けとなった商品で、それまでの油性ボールペンの常識であった「インクの粘度が高いため書き心地が重い」をくつがえしました。ジェットストリームの登場後は競合他社も次々と低粘度油性インクのボールペンを発売しました。こうした開発競争の結果、低粘度油性インクはもはや当たり前の存在となり、インクの書きやすさだけでは消費者に商品の違いを認識してもらうことが難しくなっています。

ゼブラが2018年に発売した「ブレン」はインクやボール径で勝負するのではなく、筆記時の微細な振動によるストレス発生を解消するというコンセプトのもと、ペン機構の振動を制御する「ブレンシステム」を開発することで競合他社との差別化を図りました。さらに、今年の8月に発売開始した「ブレンU」は、立ち仕事が多い看護師や接客業、ビジネスマンが出先でメモを取るとき、電話で急にメモするときなどの「サッと書き」の場面に向けて不安定な場所でも濃く書くことができるボールペンです。あえて、使用シーンを具体的に提示することでボールペン業界におけるポジションを確かなものにしています。

三菱鉛筆が2001年に発売した「パワータンク」はトレンドの変化によって再び脚光を浴びたボールペンです。一般的なボールペンは重力によってインクを上から下に落とすため、逆さまでは書きづらいという弱点があります。しかし、パワータンクはインクを圧縮空気で押し出すためペンの向きに関係なく筆記が可能であり、さらに氷点下や水にぬれた紙などにも筆記することができます。パワータンクは近年の新しい防災概念である「フェーズフリー」に即した商品であるとして再び脚光をあびました。フェーズフリーとは平常時と災害時という社会のフェーズを取り払い、普段使用している商品が災害時にも役立ち安全を守るという概念です。

ボールペンはもはや開発しつくされて、既存品の改良はできても新しいモノを開発することは難しいと思っていましたが、ボールペンで筆記するというシーンをよく観察すればもしかすると新しいボールペンが開発できるかもしれません。個人的には油性インクだと程度の差はあれ必ず発生するインクがダマになる現象を解決するボールペンが開発されることを願ってます。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「スポッチャが人々を魅了する理由」についてお話します。「スポッチャ」は株式会社ラウンドワンが経営する店舗「ラウンドスタジアム」内に設置されたスポーツアトラクション施設です。スポッチャでは3on3バスケットボール、ゴルフの打ちっぱなし、アーチェリー、セグウェイ、カラオケなど定番なものからアクティブなものまで、様々なアトラクションが楽しめます。スポーティな遊園地のような施設ですが、どのような経緯で今のサービスが形作られたのか、またスポッチャがなぜ人々の心を掴んでいるのかについて書いていきます。

ラウンドワンは2003年にスポッチャの原型となる「レジャスタ」という施設を展開し始めました。現在と同様に複数のスポーツを楽しめる複合施設としてオープンしたところ、早くも多数の好評が得られたといいます。そしてその後、ラウンドワンは「お子様のいるご家族に、公園の代わりに安心して遊んでいただける場所」を作ろうという方針を立て、子ども用職業体験テーマパーク「キッザニア」の形態を参考にしました。また、日本ではスポーツクラブに所属・加入しなければスポーツを楽しむことがやや難しく、そこをハードルに感じてしまう人も一部いることが想定されます。そこで、ラウンドワンは、様々なスポーツを気軽に選んで試すことができる場所を人々に提供することにしました。

そして2004年、スポッチャが設置された初のラウンドワンスタジアムがオープンしました。ボウリングやカラオケなどのポピュラーなスポーツや娯楽に、ローラースケートやゴーカートなどそれまで遊園地などの大型施設でしか楽しめなかったものを全て体験できる夢のような場所として、子連れの家族層やグループ層から大人気の施設になりました。この、様々な娯楽が集まった場所というものはそれまで誰もが夢見ていたようで実際には実現されていなかったものでした。そのため、オープンして間もなく定着し大人気になったことにも納得がいきます。

特定のものに特化しないで「気軽にスポーツを選び楽しんでもらう」というコンセプトを実現させることを突き詰めた結果、型に嵌まらず自由度の高い設計の施設ができました。そしてこれらが「手軽さ」、「娯楽を選べる贅沢さ」、「飽きの来にくさ」といった他のどこにもない魅力をスポッチャに与えたのです。スポッチャは「ありそうでなかった、みんなの夢のようなサービス」の代表的なものと言えるでしょう。

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今週は「THE カロリー」シリーズについてお話します。
この数年で食事における健康志向がより高まり、大手コンビニチェーンでも野菜や果物を手軽に摂取できるスムージーや糖質をカットした食品、機能性表示食品などの商品を多く取り扱っています。このような商品は今後ますます多く見られるようになるでしょう。このような商品をコンビニで簡単に買うことができるこの流れは、私たちの健康にとって非常に良い流れだと思います。

しかし、この流れに逆らう商品「THE カロリー」シリーズがローソンストア100より発売されました。この商品は1000kcal越えが必須条件となっており、今年の6月にはシリーズ第二弾として1055kcalの「オールドファッションドーナツサンド」と1079kcalの「コロッケたまごサンド」が発売されました。これらの商品はあまりのカロリーの高さからSNSでも話題となりました。

なぜ食事における健康志向が高まっている中、このような非常にカロリーが高い商品を開発したのでしょうか?商品開発本部の小林宣夫氏は「バランスの良い食事を決まった時間に毎食摂ることが理想」としつつ、「イレギュラー発生時に効率よくエネルギーを満たしたいときに、これを食べておけばしばらく大丈夫」という安心感をもたらせるために開発したと語ります。

健康志向が高まっている中、コンビニ食品へのもう一つのニーズである「緊急時に手軽にエネルギー補給できる」ことに重きを置いて商品開発したのは独自性が高く面白いと思います。個人的にコンビニこういった商品が少しでもあると旅行先での食料調達時にありがたいです。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「『混ぜ込みわかめ』が人気商品になった理由」についてお話します。丸美屋食品工業(以下、丸美屋)が販売しているふりかけの「混ぜ込みわかめ」シリーズは「のりたま」に並び同社の看板商品となっています。「のりたま」も「混ぜ込みわかめ」も、長い間多くの人に親しまれ、日本のふりかけの代表的地位を確立しています。しかし、このふたつのふりかけは商品設計も特性も大きく異なっています。例えば「のりたま」は温かいごはん用に、「混ぜ込みわかめ」おにぎり用に作られています。そのため丸美屋がそれぞれに対して行った経営戦略も違います。今日は「混ぜ込みわかめ」にフォーカスしていきます。

先述の通り「混ぜ込みわかめ」はおにぎり用のふりかけとして開発され、プロモーションでも「ごはんに混ぜるだけ」、「大きめ具材で、冷めてもおいしい!」と、手軽に作れることと時間が経って冷めても美味しさが変わらないことをアピールしました。実際、丸美屋で新商品や改良品を作り試食する時には、ごはんに混ぜ込んで3時間程度置いて冷たくなったものが食べられているそうです。

このように、おにぎり用ふりかけの最適解を探求し作られた「混ぜ込みわかめ」ですが、発売してしばらくの間は他社との競合に埋もれてしまっていたといいます。その使い勝手の良さと美味しさから一部からは支持を得ていたものの、トップの座に就けたのは販売開始からおよそ18年が経った後でした。その理由は、消費者のマインドが変わったためであると推察されています。販売当初の1980年代には消費者の間で、「おにぎりを作る時にふりかけなどの加工品だけを使うことは手抜きだ」という価値観が中心となっていました。しかし、2000年代に入った辺りから「合理化」の考えが支持されるようになりました。その結果、手早く美味しいおにぎりが作れる「混ぜ込みわかめ」がヒットした、と考えられています。

また、「混ぜ込みわかめ」シリーズの商品は全部でおよそ30種類と非常に豊富なラインナップを誇っており、これも支持が衰えない理由とされます。「混ぜ込みわかめ」の消費者には毎日お弁当を持参する学生や会社員が多くいます。そのため毎日同じ味で飽きがきてしまわぬように多様な味の商品を用意し、消費者に選ぶ楽しさを提供しています。30種類ともなると、生産や在庫の管理がかなり難しくなってしまいますが、妥協せず消費者の喜びを最優先に考えた結果、今の品数になったといいます。まさに丸美屋の精神が現れた経営・販売スタイルといえるでしょう。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「ワイヤレス型VS有線型」についてお話します。

ここ数年間で、「AirPods」をはじめ数多くのワイヤレスイヤホン・ヘッドホンが登場し市場でも年々ワイヤレス型人気が高まっています。左右がコードで繋がれた形のワイヤレスイヤホンに加え左右が独立した完全ワイヤレス型のイヤホンなど複数の型のワイヤレス型が世に多く見られ、ユーザー間に深く浸透していることがわかります。
スマートフォンでもイヤホンジャックが非搭載の機種が登場するなど、他業界にもワイヤレス化促進の動きが起こっています。その一方で、有線型イヤホン・ヘッドホンが衰退している…と思いきや、イヤホン・ヘッドホン市場で有線・無線の販売数構成比はここ数年でほとんどが半々。実は有線型の売上も落ちることなく堅調です。

有線型の平均価格はワイヤレス型の3分の1程度とお手頃であることや、音質が良好であること、充電が不要であること、紛失リスクも低いことなどワイヤレス型と比べて優位である点は多くあります。そのためか、ワイヤレスが普及しつつある中でも有線タイプの需要は根強いままです。数年前のコロナ禍で対面だった会議や面談がオンラインに置き換わったことも有線型の販売数量増加に繋がりました。また、eスポーツの流行や巣ごもり時間でのゲームプレー人口の増加も有線型人気に影響を与えたと考えられます。ワイヤレスイヤホンをゲームに使用した場合ラグが生じることが多く、プレイに支障が来たされてしまいます。そのためゲームプレイヤーには有線ヘッドセットが好まれるのです。

また、近年では平成ファッションブームで若い世代の人々がファッションとして平成中期頃の製品を使うことが増えました。その流れに乗って、敢えて有線イヤホン・ヘッドホンでウォークマンに取り込んだ音楽を聴く若年層も現れています。こうした理由で、機能面だけでなく、ファッション性といった面で有線型がリードしているということは恐らくメーカーも想定外だったのではないでしょうか。
このように文化的潮流によって、製作側が予期しなかった理由で技術製品ヒットするという現象は他業界でも時々見受けられますが、面白さとロマンを感じますね。

本日はワイヤレスイヤホン・ヘッドホンが急速に普及し始めたことと、その中でも有線型の売り上げが衰えない理由についてお話ししました。調べてみると有線型とワイヤレス型の特性の違いがかなり大きいことに気付きました。どちらが優れている、という訳ではなく状況によって各タイプのメリットデメリットの発現が著しいという捉え方もできます。私は有線型のイヤホンしか持っていませんがこの記事を書いていてそろそろワイヤレス型を購入しても良いのかも…?と思い始めました。

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今週はPS3は失敗だったのか?についてお話します。

PS3は2006年11月11日に発売された家庭用ゲーム機で、史上最も売れたゲーム機であるPS2の次世代機ということもあり発売前から非常に注目されていました。しかし、PS2は販売開始から3日で98万台売り上げたのに対して、PS3は国内初回出荷台数が10万台であり、PS2の1/10しか売れませんでした。このことから、PS3は失敗したといわれています。

これほどまでに初期の販売台数に差が生じてしまった原因は部品の不足でした。PS3はDVDよりもより大量の情報を扱えるBlu-ray Discを採用していたのですが、Blu-ray Discの読み出し装置に使われるレーザーダイオードの生産に遅れが生じたため、最初から供給不足に陥ってしまいました。発売日から1カ月余りの期間供給不足が続き、高額な転売も問題となりました。ゲーム機は初期の普及が遅れると、ソフトメーカーが参入を見送ってしまうためどんどん不利になってしまうのです。

ほかにも失敗といわれる要因はあります。1つ目は価格です。PS3はHDDの容量が60GBと20GBの2つのモデルが存在し、60GBモデルは約60000円となかなか強気な価格設定でした。PS3に搭載されているCPUである”CELL”の開発・生産コストが非常に高く、またPS2との互換性を持たせるためにさらに別のチップを搭載させていたため、これほどまでに高価格になってしまったのです。一方同時期に発売されたゲーム機であるWiiは25000円というPS3の半分の値段であり、価格競争でも後れを取ることになってしまいました。

2つ目は、ソフト不足です。PS2は2000年3月4日の発売日からその年の終わりまでに122本のソフトが発売されましたが、PS3は発売日から翌年末までに発売されたソフトはたったの65本でPS2の半分程度でした。なぜこのような状態になってしまったのか?PS3に搭載されているCPUである”CELL”は非常に高度な演算能力を持っているのですが、その性能を発揮するためにはプログラム上での高い技術力が必要とされ、ゲームソフトの開発が非常に難しいという状態でした。これがソフトメーカー参入のハードルを高め、ソフト不足に陥る原因となってしまいました。

以上のことからPS3は失敗だといわれています。しかしその後PS3はPS2との互換性を切り捨てた安価なモデルを販売し、市場での競争力を高めていきました。さらに2009年ごろになるとさすがに”CELL”の扱いにも慣れてきたのか大作や人気シリーズの新作が大量にPS3で発売され盛り上がっていきました。また、2011年になると政府により地デジ対応テレビの普及を後押しする政策が行われたこともあり、HD画質に対応したテレビが急速に普及しました。Wiiはアナログテレビの標準画質であるSD画質までの対応にとどめていたため少しづつWiiは勢いを落としていき、逆にBlu-ray Discによる映像美を売りにしていたPS3にとってはようやく本領を発揮できる環境となりました。

このようにPS3はスタートダッシュこそ不調でしたが、その後は少しづつ普及していき発売から6年ほど経ってようやくゲーム市場の主役に君臨し、後継機であるPS4が発売された後も生産され続け、最終的に2017年5月に製造が終了しました。発売されてから10年以上も生産され続けたことを考えると失敗しているところは多いですが決して失敗作ではないと思っています。

こんにちは、皆さん。Buddieateスタッフの周です。最近、ようやく待ちに待った「黒神話:悟空」をプレイする時間ができました。ずっと楽しみにしていただけあって、ゲームを始めた瞬間からその世界に引き込まれました。このゲーム、ただのアクションRPGと思っていたら大間違いで、深く考えさせられる要素が詰まっています。

「黒神話:悟空」とは?
まず、「黒神話:悟空」は中国の古典『西遊記』を題材にしたアクションRPGで、伝統的な中華文化がふんだんに盛り込まれています。古代中国の風景や歴史的な建築物がリアルに再現され、プレイしているとまるでタイムスリップしたかのような気分にさせられます。ゲームのビジュアルや音楽も素晴らしく、細部にわたって非常に丁寧に作り込まれています。

リリース前から期待が高まっていたこのゲームですが、発売直後にはなんと450万本以上が売れたという驚きの結果を見せました。これは、ゲーム市場においてかなりの成功を意味します。Steamでの販売数が特に多く、他のプラットフォームでも順調に売れているようです。こうした売上の背景には、中国国内のみならず、世界中のプレイヤーからの高い期待があると感じます。

この話をする上で、やはり「原神」との比較は欠かせません。「原神」は、無料でプレイできる一方で、ゲーム内での課金が重要な収益源になっているゲームです。2021年のバージョンアップデートの際には、1ヶ月で約3億4100万ドルという売上を記録するなど、その収益力は驚異的です。一方、「黒神話:悟空」は一回購入型のゲームで、ゲーム体験を提供する点では「原神」とは全く異なるアプローチを取っています。

「原神」のような課金型ゲームと比べ、「黒神話:悟空」のようなゲームは、一度購入すれば全てのコンテンツが楽しめるというメリットがあります。これは、プレイヤーにとっても安心感がある反面、開発者にとっては継続的な収益が見込みにくいというチャレンジもあります。
「黒神話:悟空」の成功は、中国ゲーム市場に新しい風を吹き込んでいるように感じます。これまで、中国製のゲームは課金型が主流でしたが、このゲームの成功によって、今後は品質を重視した一回購入型のゲームが増えてくるかもしれません。

「黒神話:悟空」は、中国の古典を元にしながらも、現代のゲーム技術を駆使して作り上げられた作品です。このゲームが市場でどのように受け入れられるか、そして「原神」といった他の人気ゲームとどう差別化されるのか、これからも注目していきたいと思います。それでは、また次回お会いしましょう!

こんにちは、皆さん。Buddieateスタッフの周です。先週「デッドプール3:デッドプール&ウルヴァリン」を映画館で観てきました。とても面白かったので、この映画に関連して、マーベルと20世紀フォックスとの間にある「愛憎劇」について詳しくお話しします。

1990年代、マーベルは深刻な財政難に直面していました。その結果、キャラクターの映画権を外部に売却することを余儀なくされ、X-Menやファンタスティック・フォーといった主要なキャラクターが20世紀フォックスに渡ることになりました。当時のマーベルは、自らのキャラクターを映画化するための資金や技術が不足していたため、このような決断を下すしかありませんでした。

その後、20世紀フォックスは、X-Menシリーズで大成功を収めました。2000年に公開された『X-Men』は、スーパーヒーロー映画ブームの先駆けとなり、ヒュー・ジャックマンが演じたウルヴァリンは、特にファンの間で大きな支持を得ました。
しかし、すべてが順調だったわけではなく、特に『ファンタスティック・フォー』シリーズは期待を裏切り、批評家からもファンからも厳しい評価を受けました。

20世紀フォックスが生み出したもう一つの成功例が、私が今週観た『デッドプール』シリーズです。ライアン・レイノルズが演じるデッドプールは、そのユーモアと独特なスタイルで、予算が限られているにもかかわらず大ヒットを記録しました。特に、R指定という制限の中でこれだけの成功を収めたことは、20世紀フォックスにとって大きな功績となりました。

2019年、ディズニーは20世紀フォックスを買収し、映画業界に大きな影響を与えました。この買収により、X-Menやファンタスティック・フォー、そしてデッドプールといったキャラクターが再びマーベル・スタジオの管理下に戻り、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に統合される道が開かれました。この買収は、長年続いた「愛憎劇」を終結させ、新たな物語の幕開けを意味しています。

20世紀フォックスとマーベルの関係は、決して平坦な道のりではありませんでしたが、その結果として生まれた映画は、映画史に残る名作となりました。『デッドプール3:デッドプール&ウルヴァリン』は、その集大成ともいえる作品であり、この歴史を知ることで、さらに深い楽しみを見つけることができるでしょう。

今後、デッドプールやX-Menがマーベルにどのように統合されていくのか、非常に楽しみです。この「愛憎劇」の次の章がどのように展開されるのか、引き続き注目していきましょう。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「牛乳石鹸に見る商品の意味転換」についてお話します。「牛乳石鹸」は「牛のマークの牛乳石鹸」として親しまれてきた石鹸のブランドです。特に有名なのは、看板商品でもある「カウブランド赤箱」と呼ばれる石鹸でしょう。この石鹸は「赤箱」という呼び名で広く知られています。恐らく多くの方が使用したことがあるのではないでしょうか。
1928年から販売されているロングセラー商品の赤箱ですが、ハンドソープなどの競合商品の人気や不景気などが原因で売り上げが低迷し、存続も危ぶまれるほどの事態に陥った時期があるのです。ですが、2011年に「赤箱再生プロジェクト」が立ち上げられたことをきっかけに、赤箱の人気が再び高まりました。

赤箱再生プロジェクトでは、かつての「牛乳石鹸」という名前でなく「赤箱」いう名前の知名度向上を主目的とし、まずはパッケージデザインを変え、赤箱の特徴がユーザーに伝わるようわかりやすくアピールしました。また、石鹸に馴染みの少ない子供世代にアプローチするために、小学校で手洗いの授業を行いました。商品パッケージの見直しや、地域をターゲットにした活動など、様々な手法で赤箱の宣伝が行われました。
そうしている中、赤箱が「@cosme ベストコスメアワード2015」におけるベスト洗顔料に選ばれました。実はこれはユーザーの「赤箱は洗顔にいい」というクチコミによる受賞でした。赤箱再生プロジェクトでは赤箱を洗顔料として宣伝するということはしていなかったのです。そのため、当時会社内では意外な結果に驚く声が多かったといいます。しかしこの受賞をきっかけに、「赤箱が洗顔料として評価されているなら、それに応じた形の宣伝をしよう」と赤箱を洗顔料として使ってもらう方向に転換、そしてこれが赤箱人気に絶大な効果を発揮したのです。

「せっけんを使ったことがない20代女子」を新規ターゲットに加えて、「伝統、安心の身体洗浄料」から「洗顔にも使えるプチプラコスメ」に商品価値の主軸を変更しました。そこで「赤箱女子」という「こだわりをもって赤箱で洗顔している女性」を指すワードが生み出され、商品自体は変えないまま見せ方や商品の意味を大きく変えて新規ターゲットにアプローチしました。赤箱女子を増やすための施策として、2018年には京都「赤箱 AWA-YA in KYOTO」という企画が開かれました。期間限定店舗で若い女性向けに泡ハンドパックや泡だて体験、限定のオリジナルグッズの販売が行われ、注目を浴びました。店舗のデザインは赤箱のパッケージを用いたレトロな雰囲気のもので、これが若い女性たちに好評だったようで、SNSでも話題を呼びました。

実は私も赤箱をよく使っているのですが、この記事を書くまで赤箱再生プロジェクトについても赤箱女子についても知りませんでした。普段何気なく使っている商品、特にロングセラー商品は価値や意味が固定化されがちです。しかし赤箱のように、価値の主軸を刷新し適切なデザインとマーケティングをすることで人気を取り戻すことも新規ユーザーの獲得も可能なのです。「商品の見せ方」がいかに重要かわかるエピソードですね。