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皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は無印良品のブランド戦略についてお話します。
無印良品は国内と海外合わせて1251店舗も展開しており、世界中で人気のあるブランドとなっています。無印良品の大きな特徴は商品のラインナップの豊富さです。食品や文房具、衣服などに始まり家電や家具などの大きなものまで非常に多岐にわたる商品を提供しています。

しかし、無印良品のこのような特徴は私の考えからすると不思議な特徴でした。「マーケティングではまずターゲットを絞ることが一般的にもかかわらず、無印良品では特定のターゲットを設定していないため、十分なマーケティングができないのでは?」とか「様々なジャンルの商品を扱うと「「家電なら電気屋さんのほうが性能がいいモノを扱っている」」「「洋服を買うなら専門店のほうが種類豊富」」といった状態になり他の店に客が流れてしまうのでは?」と考えていました。

ここで、アメリカの経営学者であるデイヴィッド・アーカーが唱えたブランドが顧客に提供する4つの価値を紹介します。1つ目の「機能的価値」は商品やサービスに規定されている物理的、機能的な効用です。2つ目の「情緒的価値」は購入プロセスや使用経験において何かを感じるようにさせる能力です。3つ目の「自己表現価値」は実際の自分や理想化された自己イメージを表現するための手段です。4つ目の「社会的価値」はアイデンティティや所属感覚をもたらし、社会的集団に所属させる手段です。

無印良品の商品はシンプルであるためどのような人でも抵抗感なく使用することができ、一定の品質を維持しています。さらに顧客の声が新たな商品開発につながることもあります。これらをふまえて、無印良品を4つの価値に当てはめてみると次のようになります。

「機能的価値」は商品が豊富であるため必要としているものが見つかるということです。
「情緒的価値」は必要であり機能がすべて詰まっていることから「これでいい」「これで十分」という感覚を与えます。
「自己表現価値」は「身の丈・等身大で感じの良い生活を送っている自分」です。
「社会的価値」は自分の声が新たな商品開発につながることから生じる団結間です。

「機能的価値」「情緒的価値」だけでは無印良品のような競合が多い業界では差別化を図ることは難しいですが、「自己表現価値」「社会的価値」まで与えることで競合に模倣されにくく、顧客との関係性を強めることができるのです。
無印良品で扱っている商品が同業他社と比べてダントツで優れているわけではなくても、無印良品は商品を使用した顧客の体験を含めたブランドであるため人気であるということになります。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「yogiboの開発ストーリー」についてお話します。yogiboは主にビーズソファを製造、販売している企業で代表的な商品に「人をダメにするソファ」があります。「人をダメにするソファ」は人とほぼ同じサイズで、全身を包み込むような柔らかさを持っておりその名の通り「人をダメにする」ほどの寝心地、触り心地を誇ります。

そんなyogiboの始まりは、創業者であるEyal Levy氏の「妊娠中の妻のストレスをなくしたい。」という思いからでした。彼の妻は、普段からうつ伏せ寝が好きな方でしたが、妊娠したために普通のマットレスなどではうつ伏せ寝が難しくなってしまいました。それを見たLevy氏は、大きなお腹でも楽にうつ伏せに寝ることができるためのアイデアを考え始めました。
ある時彼は、伸縮性のある生地を見つけ、それを利用して大きなビーズソファを作ってみました。そのソファは圧迫感がなく、全身にフィットするような不思議な感覚を持ったものでした。彼が作ったソファのおかげで見事にうつ伏せ寝の問題が解決し、彼女は快適な妊婦生活を送れるようになりました。

Levy氏はそれからも地下室でビーズソファ製作をするようになりました。そして完成した製品を体験してもらおうと、ホームパーティーを開催したり、近所のお店で販売したりしてみました。すると多くの人から「そのソファ、欲しい!」というリアクションがありました。
これを受けてポップアップストアや近隣の専門店でも売るようになりました。この感動を広めるために、自分の店を持つしかないと彼は確信し、当時勤めていた会社を退職しました。そうして第一店舗を作り、yogiboを広めていくことが彼の仕事になりました。
Levy氏は祖父も父も事業家だったため、幼い頃から事業を興し、経営することを身近に感じていました。それもあってかyogiboは順調にその名を広め、店舗数もラインナップも拡大していきました。

今や世界中の人々を病みつきにしているyogiboはひとりの男性がパートナーを思いやる気持ちから始まりました。パートナーの幸せから、知人、近所の人、とyogiboで幸せになる人は輪が広がるようにして増えていきました。このストーリーはyogiboの特性とLevy氏の経営手腕があってこそのものではありますが、発明品が世に広まる形として理想的なモデルであると言えます。

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は「なぜAmazonの会議ではパワポ資料が禁止されているのか?」についてお話します。

皆さんは普段の会議で用いる資料をどのように作成していますか?私がサークルでの会議で用いる資料を作成する際は、パワポに箇条書きで要点を書き込んでいます。このようなタイプの会議資料は聞く側にとっても情報が整理されていてわかりやすいので、多くの団体・企業の会議に登場するのではないでしょうか。しかし、このタイプの会議資料はAmazonではほとんど見ることがありません

2006年、当時のAmazonのCEOであったジェフ・ベゾスは会議に出す資料はWord形式に限定し、パワポ資料は禁止というルールを定めました。さらには、会議資料のほとんどは1ページに収めるという決まりがあり、複数ページが認められるのは大型の案件やプロジェクトに限られるそうです。資料には箇条書き形式を廃し、文章で表現することが求められています。
なぜ会議時のパワポ資料禁止や箇条書き形式廃止というルールを作ったのか?その理由は読み手によって行間の解釈にぶれが生じるからです。会議に参加した人になら口頭で行間の意味を説明することができますが、会議に参加していない人が後で会議資料だけ読んだときに行間の意味を資料作成者と同じように解釈してくれるとは限りません。文章原なら行間を読む必要がなくなり、全員が共通した認識を持つことができます。

他にも、パワポによる視覚的効果によって平凡なアイデアが立派に見えることや、聞き手を分かった気にさせるだけで記憶に残りにくいといった問題もあります。
さらにパワポを禁止することで会議の効率を上げています。私もそうなのですが、パワポでの資料は短時間で作成できるので、会議直前になって思いついたことを列挙し、会議時に適当に飛ばしながら口頭で説明できます。一方、文章で会議資料を作ろうとすると、読んだときにつじつまが合うように最初から整合性をとらなくてはいけません。そのためには、時間をかけて文章を推敲する必要が出てくるので、結果的に会議資料の質が向上します。

Amazonの会議では最初の5分間は配布された資料を黙読する時間にあてているそうです。これにより、議題の全体像を把握し、自分がすべき質問をあらかじめ整理した状態で会議を始めることができます。これは、会議で起こりがちな発表者が説明中に、後で説明しようとしていた内容について質問が来てしまうということを防ぐことができます。

決してパワポが悪ということではなく、文章による会議資料は認識の違いをなくし、発表者も資料作成時に自身の考えを明確にすることができるため会議の効率が上がるということです。

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は「ドミナント戦略」と呼ばれる経営戦略についてお話します。

ドミナント戦略とはフランチャイズやチェーンストアにおける経営戦略の1つで、人口や年齢層、主な家族構成、昼夜間人口、競業他社の有無、交通アクセスといった立地特性を調査し、有望であると判断した地域に集中的に出店することで、地域の市場占有率を高めることが狙いです。

ドミナント戦略でのメリットの1つは、その地域での認知度が上昇することです。特定地域に複数出店し広告等での情報発信を行うことで、その地域での消費者の認知度が大幅に上昇します。
コストの削減ができるというメリットもあります。ドミナント戦略では店舗ごとの距離が近いことから、仕入れや搬送の効率化や、店舗での在庫の融通が可能であるため物流コストの削減が期待できます。さらに、特定の地域に集中して宣伝を行えばよいので、地域の特性に合わせた効果的な宣伝を行うことが可能であり、広告宣伝費の削減にもつながります。

競合他社を寄せ付けないという効果も期待できます。店舗集中しており、その地域の人口当たりの店舗数の上限に近い状態ならば、参入しても集客することは難しいです。さらに、すでに地域の人に定着した店舗がある場合も顧客を奪うことは難しいため、参入のハードルが高くなります。このため、地域の認知度を向上させやすいドミナント戦略には、競合他社が参入しづらくさせる効果も期待できます。

ドミナント戦略の成功例として静岡県内にチェーン展開するハンバーグレストラン「炭焼きレストランさわやか」(以下さわやか)を紹介します。さわやかは静岡県内に34店舗出店しており、浜松市だけで12店舗も出店しています。県外の人々からも非常に人気を博しており、御殿場インター店ではゴールデンウィークに驚異の520分待ちを記録したことがあります。

さわやかはなぜ静岡県にしか出店していないのか?その理由は品質維持のためだそうです。静岡県西部の袋井市にある本社工場から店舗に仕入れた肉はその日のうちに使い切ることが原則となっているため、工場から直送できる距離に限界が生じてしまうそうです。
ドミナント戦略の視点からさわやかの人気を考えてみると、県内32店舗という圧倒的な占有率によって、静岡県民の中にハンバーグ=さわやかという認識を定着させることに成功しています。そのため競合他社の参入が難しくなり、結果としてよりさわやかの認知度が向上するというサイクルが完成していると考えられます。

さらに、静岡県にしかないという希少性によって県外からの観光客の人気を得ています。さわやかのハンバーグはネット通販などで取り扱っておらず、真にさわやかでしか食べることができません。その希少性が待ち時間520分を記録するほどの人気を生み出しているのです。

ドミナント戦略は特定地域に集中して出店することで、その地域での認知度向上を図れるほか、「その地域にしか出店していない」という希少性をも得ることができます。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「ファブリーズに見られるマーケティング的工夫」についてお話します。「ファブリーズ」はP&Gが販売するスプレー型消臭剤です。カーテンや布団、リュックサックなど洗濯しにくい布製品に吹き付けることで消臭効果を発揮します。

そんなファブリーズですが、発売当初は「洗いにくい布製品の臭いがとれる」という特性を強調した広告が作られていました。そうすると、これまでクリーニングに出したり手洗いをしたりしなければ洗えなかった製品を手軽にきれいにできるということで消費者の注目を集めました。しかし、消臭の対象を「布製品」としていたため、例えば部屋でペットを飼っているお客様など、日常的に布の消臭を行っている方々にしか人気が出ないという事態が起こりました。
さらに、ファブリーズは1回使うと長時間効果が続くため、使い切るのに時間がかかり、リピートにもつながりにくいという課題があることが明らかになりました。それを受けて、社内で「もしファブリーズが70%の家庭で毎月消費されるとしたら、どういうことが起きるのか」という思考実験が行われました。ファブリーズの使用が掃除機をかける、洗濯機をまわすといったことと同様に習慣化するとどのようなメリットがあるかを考えたところ、「布の臭いは部屋の臭いの主要因であるため、ファブリーズの日常的な使用で部屋全体が臭わなくなる」という結論が出ました。
これを踏まえて、ファブリーズの広告で打ち出す特長が「部屋の臭いをとって快適な空間にする」に変えられました。「料理の臭いが布について、その布のせいで部屋が臭う」、「汗の臭いが布につき、その布のせいで部屋が臭う」、「そこでファブリーズ」といったメッセージを含むテレビコマーシャルが繰り返し流されました。そうして、「部屋の臭いの原因は、布製品の臭い」、「そのためにファブリーズを使おう」という考えが生活者の間で徐々に浸透していき、P&Gはファブリーズを習慣的に使う消費者を獲得しました。

P&Gは「部屋の臭いをとりたい」というニーズを持つ人たちに対して、その原因の大半は布からだと知らせることにより、「布の臭いをとりたい」というニーズに転換させることに成功しました。商品の特性とニーズを正しく捉え、伝え方ひとつを変えるだけでも、それまでは対象外であった層からの顧客やリピーターを獲得できるのです。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「『い・ろ・は・す』が売れた理由」についてお話します。

「い・ろ・は・す」は日本コカ·コーラ株式会社が製造・販売を手掛けるナチュラルミネラルウォーターです。発売は2009年とミネラルウォーターの中では比較的新しいものとなっていますが、発売当初から人気を博しました。い・ろ・は・すの大きな特徴として、軽量で柔らかく薄いボトルがあります。
それまではペットボトルというとある程度の硬さを持ったもので、嵩を小さくするには力が要るという認識でした。しかし、い・ろ・は・すのボトルは誰でも布を絞るかのようにして潰せるものになっています。この「しぼれるペットボトル」は発売当時かなりの話題を呼びました。

このボトルは新規石油由来のペットボトルと比べて1本当たり約60%のCO2排出削減につながる、100%リサイクルペットボトルです。近年また改良が行われ、よりリサイクルしやすく、より飲みやすいものとなりました。い・ろ・は・すは販売当初から「環境」をキーワードとしてきました。商品のテーマは「ごくごく自然に未来を変える水」とされ、CMでも最初期から飲むだけで「世界を変える水」として手軽にエコに取り組める商品であるとアピールしていました。
この「無理なく、簡単に、自然体に」エコを実践できることが、い・ろ・は・すの独自性であり人気である理由と考えられます。一般的にエコを実践する、生活に取り込むことはハードルが高いこととされています。そのため、飲料水を飲むだけで自然と環境に配慮できるという特性は非常に画期的で目を惹くものでした。
2000年代に入り、消費者の環境意識について問われることが増えたことも売り上げに貢献したのでしょう。また、絞って小さくできるボトルは持ち運びにおいて強さを発揮し普段は「マイボトル持参派」の人々にも選んでもらえる商品になりました。

今回のブログを書いて、ボトルが実現した高い利便性、簡単にエコに貢献できる点がい・ろ・は・すの地位を確立させたとわかりました。「飲料水」という差別化が難しい商品で他の追随を許さぬ人気を保つ難しさを考えると、い・ろ・は・すの商品としての強さがどれほどのものかが伺えますね。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「『太鼓の達人』の革新性と強み」についてお話します。ナムコ(現在のバンダイナムコアミューズメント)によって開発された「太鼓の達人」は、ゲームセンターに行くとほぼ必ずというほど置かれている国民的ゲームです。和太鼓をバチで叩くというスタイルは2001年の稼働開始時からほとんど変わらないまま、家庭用ゲーム機やスマホへ進出しながらも、やはりアーケードゲームとして長く強い人気を保っています。
しかし、このスタイルが採用されるまでにはナムコ社内で多くの反対意見や不安の声が上がっていたといいます。「太鼓の達人」は今でこそゲームセンターに絶対あるものというイメージですが、確かに「和太鼓とゲームセンター」という組み合わせは一見かなり突飛でミスマッチであるように思われます。しかし、試作機を作り、実際にゲームセンターに置いたところ瞬く間に人気に火がついたのです。
「なんでゲームセンターに和太鼓が?」という驚きがプラスの効果となり、テスト段階でも行列ができるほどだったそうです。また、「太鼓の達人」は「お客様の層」も他の音楽ゲームと違っていました。従来の音楽ゲームの顧客層は比較的一人の若者が多かったのに対して、「太鼓の達人」にはお子様連れのご家族やカップルの方々が並んでいたのです。このような新規性や独自性の高さといった点を社内でも買われ、口コミで人気も広まったことから、数百台程度だった製造数もあっという間に倍増しました。

人気が出た理由は見た目のインパクトだけでなく、シンプルなゲーム性にもあります。他の音楽ゲームはより難しくなり様々なテクニックが求められるようなものになっていきましたが、「太鼓の達人」は本物の太鼓と同じように叩くだけという非常に簡単なもの。また、キャラクターデザインなども親しみやすいもので、客層の違いはこれが大きな要因となっていると考えられます。

「太鼓の達人」は登場時からゲームシステムがほとんど変わらないとお話ししました。ですが実は開発部では「太鼓を増やす」、「ドン・カッ以外のスイッチを作る」などスタイルを変更するアイデアも出ているようです。しかし、「気持ちよく音楽を叩く」というコンセプトに当てはめてみたところ、いずれも不適合であるという理由で採用されませんでした。このことからうかがえるように、「太鼓の達人」は登場時から既に完成されたゲームだったのです。「好きな曲に合わせてバチで思い切り太鼓を叩く」体験は日常で簡単にできるものではありません。「他ではできない体験」、「プレイする側も応援する側も楽しめる」という要素はコロナ禍やeスポーツといった当時は予測できなかった・一般的でなかったトレンドにすら耐えてみせました。
こうして「太鼓の達人」の要素を分解すると、どれほど革命的なコンテンツであるかを改めて気づかされますね。

皆さんこんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今週は「なぜ東京ディズニーランドは浦安に建設されたのか?」についてお話しします。

そもそも浦安市とはどのようなところかご存じですか?浦安市は東京ディズニーランドができるより以前は海苔や貝類の養殖を中心とする、漁業が非常に盛んな漁師の町でした。これらの生産高は現在の価値に換算すると150億円ほどとなるそうで、いかに漁業が盛んであったかよくわかります。
しかし、1958年江戸川沿いの製紙工場から流れ出た汚染水により水質が悪化、浦安の養殖場の貝類の8割以上が死滅し、それにより浦安の三分の一の世帯が住民税を払うことが出来なくなるほど困窮していたという過去があります。そんな中、住民は浦安の象徴でもある浅瀬を埋め立て、つまり漁業権を放棄し新たな産業を始めることを決意します。
そしてオリエンタルランドに新たな雇用を生むことや、大レジャーランドを建設することなどの条件を課す代わりに1坪700円という驚異的な値段で土地を譲り渡したのです。

オリエンタルランドよりも先にディズニーランドを誘致している企業がありました。その企業とは三菱地所です。三菱地所はディズニーランド建設候補地としてディズニー社に富士山麓を提案し、オリエンタルランドは浦安を提案したのです。日本テレビの「ディズニーランド」という番組のスポンサーが三菱電機であったことや、三菱銀行が預金通帳にディズニーキャラクターを起用していたこともあり、当時の三菱グループはディズニー社とのつながりを以前から持っていました。
一方、当時のオリエンタルランドは社員が3人しかいない非常に小さな会社でありディズニー社との接点も全くないため、圧倒的不利な状況でした。ではなぜそのような状況で浦安への誘致を成功させることができたのでしょうか?

第一の理由は富士山の存在です。富士山麓にパークを建設するとどうしても背後にある富士山が目に入ってしまいます。それでは人工物も引き立たず、非日常感を生み出すことができません。一方浦安は、埋め立て地であるため周囲にパーク内から外のものが見えるということはありません。

第二の理由は地元住民の歓迎です。1974年12月ディズニー社の経営陣が三菱・オリエンタルランドのディズニーランド誘致プレゼンテーションのため来日し浦安を訪れた際、浦安市長が歓迎のあいさつをし、浦安の子供たちがアメリカの国旗をもって歓迎したそうです。当時のディズニー社はカリフォルニアに建設予定であったスキー・リゾートが地元住民の猛反対の末、計画破綻した経験があり、地元住民に歓迎されているということは大きな魅力だったのです。
これら以外にも首都圏からのアクセスの良さというメリットも考慮され、プレゼンテーション後にもう一度経営陣で建設地を決める会議を開くことなく、浦安へのディズニーランド建設が決定しました。

余談ですがプレゼンテーションの際、浦安への移動時間を短く感じさせるために昼食の時間にしたそうです。とても豪華なバスの中で帝国ホテルのシェフたちによる料理をふるまいました。そして「魔法の冷蔵庫」と呼ばれる小さな冷蔵庫を用意し、経営陣に飲み物の注文を伺ったのです。経営陣がバスに乗る前に注文を伺ったわけでもないのに、経営陣が注文した飲み物は必ずその小さな冷蔵庫から取り出されたそうです。これにはタネがあり、事前に経営陣が普段の昼食やパーティの際にどのような飲み物を飲んでいるのか詳細に調べていたそうです。
だからこそ、誰が何を注文するか正確に予測することができたのです。まさに「おもてなし」の精神ですね!

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「知育菓子®の人気の秘密」についてお話します。「知育菓子®」とは、「作りながら、遊びながら、楽しみながら自然と豊かな想像力が身についていくおかし」として企画され、クラシエフーズ株式会社によって2005年に商標登録されました。
前身であるカネボウフーズだった頃から粉末状のジュースの素があり、その粉末を新たな商品に応用できないかという着想から、現在の水と粉でさまざまなお菓子を作る知育菓子が生まれたとのことです。特に「ねるねるねるね」は知育菓子の代表とされており、皆様もご覧になったことがあるかと思います。クラシエフーズは同ジャンルで9割のシェアを占め、現在も多種の商品を発売しています。

では、クラシエフーズはどのようにして子供の心を掴む知育菓子を開発してきたのでしょうか。同社が知育菓子を企画する時最初に考えることは「子どもがどのような思考をするか」であるそうです。例えば、動作基準でアイデアを展開することがあります。子供の手の動かし方を考え、「混ぜる」、「丸める」などその知育菓子を作る工程でメインになる動きを決定するのです。他には「子供は何になりたいか」を考え、「おすしやさん」や「ケーキやさん」になりきることができる知育菓子などを作ったそうです。
またクラシエフーズには、「楽しい」と「おいしい」は絶対に外さないというこだわりがあります。この2つが両立しているからこそ、リピーターを獲得できているといいます。もう1点、外せないこととして「達成感を得られる工程を作る」があるそうです。最初からある程度形ができてしまっていたり、作る工程があまりにも地味であったりしては子供を楽しませられません。
作っている時に感動が起こるような決定的な工程を作ることが、知育菓子を企画するときの大切な要素になります。また、大人の開発者だけで子供が感動するものを作ることには限界があるとして、クラシエフーズは知育菓子を開発する際に実際に子供たちに試作品の知育菓子を作ってもらっているそうです。それを観察して、「どのタイミングで喜んでいるか」、「どこが難しそうか」などを推察し改良を重ねているとのことです。

このように、強いこだわりと地道な研究により、クラシエフーズの知育菓子は長きに渡り人々の心を掴んでいるのです。最近は「大人ねるねるねるね」など大人まで対象になった知育菓子も販売されています。それらを作りながら開発者のこだわりや創意工夫を想像してみるのも一つの楽しみかもしれません。