左侧广告
右侧广告

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。本日は「CIAOちゅ〜るがヒットした理由」をお話します。「CIAOちゅ~る」はいなば食品のグループ企業である いなばペットフードが販売している猫用おやつです。印象的なBGMが流れるCМは皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
また、CIAOちゅ~るの特に有名な点として、「猫の食い付きの良さ」が挙げられます。そのあまりの食い付きの良さに一時期は「マタタビが入っているのではないか」という噂が流れる程でした。そのような特徴を持ったCIAOちゅ~るですが、なぜこのように人気商品となったのでしょうか。また、企業ではどのような開発がなされてきたのでしょうか。

そもそもCIAOちゅ~るは、他のキャットフードなどとは異なりチューブ型で液状という形態です。このような形になったきっかけは、ご自身も猫を飼う稲葉敦央社長のアイデアであったそうです。稲葉社長が自ら愛猫にごはんを与えるうちに、缶詰などでは難しい「手を汚さず、じかに食べさせられるものを作ると良いのでは」という考えが浮かんだとのこと。
そこからCIAOちゅ~るが生まれたということですが、本商品が猫好きにヒットした理由は「手を汚さずじかに食べさせられるから」だけではありません。スティックの容器を開封し、猫に食べさせると、猫がかわいらしく舌を使ってペチャペチャなめる様子が見られるのです。この「CIAOちゅ~るを与えた時だけ見ることができる景色」が猫好きな人々の心をくすぐり、市場をリードしているのです。

CIAOちゅ~るが人気である理由は日本の食文化や製造過程といったところにもあります。猫は味覚が敏感で、新鮮な食べ物を好むとされています。日本には昔から生魚を食べる文化があります。そのため、まぐろ等の流通が整っており、新鮮な状態のまま加工食品を作れるようになっているのです。
またCIAOちゅ~るの開発において最も特徴的な点が、人間用食品と同じ品質管理を行っているということです。いなばペットフードは自社工場で原料を素早く充填するとともに、殺菌を行っています。人間用食品製造で培ったツナ缶の製法を応用することで、新鮮な猫用おやつを作り出すことができています。

以上が、CIAOちゅ~るが人々や猫たちを魅了してきた理由になります。猫好きの社長のアイデアと自社の持っていた技術とが合わさり、ロングセラー商品が誕生したのです。

皆さんこんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。
今週は任天堂のIPビジネスについてお話ししようと思います。

皆さんは昨年の4月に公開された「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」をご覧になりましたか?
この映画はマリオの生みの親である宮本茂さんをはじめとする任天堂のスタッフと「ミニオンズ」、「ペット」などで有名なアニメーション制作会社イルミネーションの合作によるもので、
アニメ映画の興行収入歴代2位となるほどの大ヒットを記録しました。

現在、任天堂はこのような自社の知的財産(マリオ、ポケモン、ゼルダの伝説etc.)を活用したビジネスであるIPビジネスに非常に力を入れています。
2024年3月期の決算報告を見ると、前年同期の連結売上高と比べてゲーム専用機ビジネスは4.7%の増加にとどまったのに対して、
IPビジネスは93.4%増加しています。
先ほどの映画の他にも、任天堂公式ショップを東京、大阪、京都でオープンしたり、
ゲームの発売に合わせてコンビニとのコラボフードを発売したり、
水族館とコラボイベントを開催したりと非常に多岐にわたります。

2021年にUSJにオープンした「スーパー・ニンテンドー・ワールド」は任天堂最大のIPビジネスと言えるでしょう。
任天堂はゲーム事業を中核とし、「任天堂IPに触れる人口の拡大させる」という戦略のもとIP活用をしています。

つまり、映画やテーマパークに進出することで今までゲームに触れてこなかった人でもキャラクターに触れることができる機会を生み出すことで、ゲームに触れるハードルを下げるということです。
実際に2023年度のマリオシリーズのゲームの売り上げは前年度の1.3倍となっていることから、
この戦略がしっかりと機能していることが分かります。

先日マリオ映画の2作目を製作中であることが発表された他、
今年の春にはスーパー・ニンテンドー・ワールド」のエリア拡大、
京都に「ニンテンドーミュージアム」がオープンするなど任天堂のIPビジネスの規模はますます大きくなっていくようなので、
今後の動向が楽しみです。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。
本日は「飛行機の落語」についてお話します。

国内で飛行機を利用する際、読書には時間が短すぎるし、
音楽ばかり聞いても飽きてしまうといった乗客に落語は丁度いいコンテンツとして人気があります。
1プログラムが1時間程度なので、良い時間潰しになるのです。
ANAのCS&プロダクト・サービス室商品戦略部マネージャーによると、
「機内では、通常の寄席や自社で企画する寄席の会で収録したものを編集して流しますが、
落語はニーズが高いので必ずプログラムの一つとして入れるようにしています。」とのことで、
航空会社側も落語の需要の高さを認識しているようです。

演者の話が面白かった場合は、「どこで入手できるのか」といった問い合わせも増えるとのことで、
マネージャーによれば、ここ10年で最も問い合わせが多かったのは、桂文枝と立川志の輔の創作落語だといいます。
タッチパネルの履歴から収集したデータによると、2016年12月は全160番組中、
落語は18位と比較的人気であることがわかりました。
演者やネタによって多少の上下はあるものの、落語コンテンツは一定の支持層を持っており安定した人気を保っています。

また、機内用コンテンツの落語では人が亡くなる噺が避けられるとよく言われています。
マネージャーは噺の内容の制約について、
「特定の人や地方などを揶揄する表現はやめましょうと演者さんにお願い
「機内放送では1つの内容が1カ月間繰り返し流されるので、することもありますし、安全を否定するような表現などは、使用しないように努めています。」かなり気を遣います。タブーの基準が難しいですね。」と話します。
こうした会社側の工夫や考慮したことを知ると、飛行機に乗る度に落語をチェックしてみたくなりますね。

こんにちは、Buddieateの周です。
今週は、ダイハツ工業における衝撃的な不正行為発覚とその深刻な影響について考察します。
この問題は、自動車業界だけでなく、広くビジネスエシックスと企業ガバナンスに関する重要な議論を提起しています。
ダイハツ工業では、1989年から30年以上にわたり、安全性能を確認する認証試験などで174個の不正行為が行われていました。
この長期にわたる不正行為は、企業文化や経営戦略の深刻な問題を浮き彫りにします。
特に、短期開発に対する圧力が不正行為を引き起こす一因とされています。

ダイハツの生産停止は、サプライチェーン、販売店、そして消費者に大きな影響を与えることが予想されます。
これにより、ダイハツだけでなく、親会社であるトヨタ自動車にもブランドイメージと信頼性の低下が懸念されます。
さらに、この問題は自動車産業の安全基準と品質管理の重要性を改めて浮き彫りにしています。

この不正行為は、企業が直面する経営上の課題として、
品質管理と企業ガバナンスの強化の必要性を示しています。
製品の安全性を保証するための厳格な品質管理体制と透明性のある企業運営は、消費者の信頼を維持する上で不可欠です。

ダイハツとトヨタグループがこの危機を乗り越え、再び消費者の信頼を獲得するためには、
根本的な組織文化の見直しとガバナンス体制の強化が必要です。
信頼回復のためには、透明性のある調査と改善策の実施、
そして公開された責任の明確化が求められます。
ダイハツ工業の事例は、企業経営における品質管理の重要性と、
経営戦略が企業文化に与える影響を浮き彫りにしました。
企業が長期的な成功と信頼を築くためには、短期的な利益追求だけでなく、倫理的かつ責任ある経営が不可欠です。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。
本日は8月15日のブログでもお話しした、製品開発のプロセスのひとつである「ネーミング」についてお話します。
前回はネーミングの成功例である「お~いお茶」に触れましたが、
今回は失敗を避けるための対策の例を挙げていきます。

ネーミングの失敗の要因に多いのは「外国語」です。
例えば「ポカリスエット」はsweat(汗)という単語が入っており、海外では誤解を生んでしまったり、
購買欲をそいでしまったりする恐れがあります。
そのため、本商品は英語圏ではPOCARIという名称で販売されています。
また、グリコの「ポッキー」は、pox(あばたのある)などといったネガティブなニュアンスを持つ言葉を連想させます。

また、「Pocky」という表記は、イスラム圏ではPorkを連想させるので食べ物のネーミングとしては問題があります。
そのためポッキーも海外で名前の変更を求められることになりました。
そんなポッキーの欧州での販売名は「MIKADO」となっています。
目を付けられたのが、ヨーロッパ人に馴染みの深い「MIKADO」というテーブルゲーム。
ランダムに積み重なった棒を1本ずつ取り除いていくゲーム。
他の竹ひご(棒)を動かさないように取り出し、その取り出した竹ひごの模様によって点数が決まり、
各自点数を競います。この棒の形状と似ているため、
MIKADOという名前が、ポッキーに変わる名称として採用されたのだそうです。

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。
今週はWii Uの失敗と功績についてお話ししようと思います。

皆さんはWii Uというゲーム機をご存じですか?
Wii Uは任天堂がWiiの後継機として開発し、2012年に発売されたゲーム機です。
Wii UはWiiが抱えていた、HDMIに対応しておらすアナログ出力のため同時期の他のゲーム機と比較すると画質があまりよくないこと、
長時間プレイする際にテレビ画面を独占してしまうことの2つの課題を解決するべく任天堂のゲーム機としては初めてHD、1080pのデジタル映像出力に対応し、
更にWiiU GamePadと呼ばれる液晶ディスプレイを搭載したコントローラーが同梱されていました。

WiiUは、テレビ画面でなくともWiiU本体から一定の距離であればWiiU GamePadでゲームをプレイすることができ、
据え置き型ゲーム機と携帯ゲーム機が融合したようなゲーム機でした。
さらに、WiiU GamePadとテレビで異なる画面を表示することもでき、
例えばWiiU GamePadでマップを表示しながら、テレビでレースゲームを行うといったような今までにない新しいゲーム体験を提供していました。

WiiUの販売台数は日本発売2日間で約30万9000台と好調でしたが、その後は急激に失速を始めました。
2013年度は販売計画900万台に対して272万台という大幅未達の結果となり、
2014年3月時点の連結業績で任天堂は営業利益ベースで464億円の赤字となってしまいました。
2017年1月にWiiUは生産終了を迎え、最終的な販売台数は約1300万台となり、
任天堂史上2番目に販売台数の少ないゲーム機となってしまいました。。
これは販売台数1億台以上を記録したWiiと比較すると圧倒的な少なさです。
このようにWiiUは商業的に失敗してしまいました。なぜここまで失敗してしまったのか?それには3つの要因があると思います。

1つ目は、Wiiとの差別化がうまくできていなかったことです。確かにスペックだけ見るとWiiとは大きくことなります。
しかしWiiUのメインのターゲット層である家族はライトユーザーが多く、
ライトユーザーはスペックをそこまで注意してみるわけではありません。
さらにWiiUはWiiと下位互換性があり、WiiのゲームもWiiUで遊ぶことができ、
更にはWiiリモコンもWiiUで使うことができました。
これによりWiiUとWiiがどのように異なるのかユーザーが理解しづらくなってしまいました。

2つ目は、慢性的なソフト不足です。Wiiでは最終的なサードパーティが16社と非常に少なく、
販売本数上位8位まですべて任天堂のソフトでした。
以前のプレイステーションについての記事でもお話ししましたが、
売れるゲーム機の条件は豊富な質の高いソフトを常に提供できることです。
そして、それを自社だけで行うのは不可能なのでサードパーティから供給されるソフトが必要不可欠です。
WiiUはサードパーティの囲い込みに失敗してしまいました。

3つ目は、スマホの所有率が大幅に増加したことです。
タッチパネルを採用することでWiiの比べてより直感的な操作が可能という大きな強みがWiiUにはありました。
しかし、2011年末では世帯保有率が29.3%であったスマホが、2012年末には49.5%、2013年末には62.6%とどんどん勢力を拡大していきました。そのため、WiiUの強みは時代に追いつかれてしまいました。

ここまでWiiUの失敗についてお話してきましたが、現在のNintendo Switchの大成功にWiiUは貢献しています。
まず、据え置きゲーム機と携帯ゲーム機を融合するというコンセプトです。
WiiUでは本体との通信を行うため一定の距離でしか携帯できませんでしたが、
Nintendo Switchは本体を小型化し、真の意味で据え置きゲーム機を携帯することが可能になりました。
さらに、WiiUの人気ソフトの多くがNintendo Switchに移植、
もしくは続編が開発されることでNintendo Switchの発売初期段階でのソフトの充実さに貢献し、
Nintendo Switchの売り上げにも影響を与えています。
特に「マリオカート8デラックス」も元はWiiUソフトでしたが、Nintendo Switchでは5700万本以上の売り上げを記録しています。

WiiUの失敗がなければ、Nintendo Switchは販売台数1億3000万台以上という驚異的な成功を遂げることができなかったのかもしれません。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。
本日は「コカ・コーラの経営戦略」についてお話します。
多くの競合他社がある中、何故コカ・コーラは世界で売れ続けているのか、その理由に触れていきます。

コカ・コーラが他と差別化できている点として、「利用シーンでの訴求」が挙げられます。
コカ・コーラは、美味しさよりも楽しさを追及し、コーク界でトップに立ったのです。
そのため、コカ・コーラは共感が得られすいコンテンツに注力しています。

特に大きなスポーツイベントの際は世界中が盛り上がるコンテンツなので、
イベント開催前にCMやインターネット広告で露出を増やすことで、
試合観戦のお供としての印象付けを行っています。
ここで重要なポイントが、「CMで味に一切触れていない」ということです。
そのシーズンやタイミングで開催されているイベントに焦点を当て、
そこでの楽しさや興奮を前面に押し出したCMとなっています。

これで共感を得て、消費者に選ばれる炭酸飲料となっているのです。
また、日本では、2019年に「福ボトル」の施策が実施されました。
受験や卒業シーズンに合わせ、ラベルを勝利祈願などのメッセージ付きに変え、学生の消費を促しました。
これもイベントに焦点を当てた企画で、特定シーズンでの販売に見事成功しています。
また、「福ボトル」は合格祈願のボトルではなく、おみくじ付きのボトルでした。
こうすることで、受験に焦点を絞りつつもターゲットは学生に限定されず、それ以外の消費も維持していたのです。
長きに渡って愛されるブランドとなったコカ・コーラですが、
他との差別化を図るため工夫を凝らした販売戦略をしていたのです。

皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。
今週は「なぜプレイステーションは成功したのか?」についてお話ししようと思います。
プレイステーション(以下プレステ)は1994年12月3日にSONYから発売されたゲーム機です。
世界で1億台以上販売し、ファミコン以降任天堂が独占していたゲーム市場でトップシェアとなりました。

プレステのすごいところはSONYが初めて発売してゲーム機であり、
同時期にはSEGAのセガサターンや任天堂のNINTENDO64といった実績を積み、
すでにゲーム市場で一定の地位を築いている競合がいるにもかかわらずトップシェアとなったことです。

ではなぜプレステは成功したのか?任天堂のゲーム機と比較しながら解説していきます。
第一にソフトにCD-ROMを採用したことです。
ファミコンからNINTENDO64まで任天堂が使用していたROMカセットと比較するとCD-ROMは製造期間が短く、
ソフト一本作るのにかかる費用も抑えることができます。
さらにSONYは音楽CDの流通業界で培ったノウハウを使い、
自社のCD工場でソフトを生産し、さらにそれまでのゲーム市場とは異なり問屋を介さず販売店舗に直送するといった流通体制を築きました。
その結果、製造期間の短さと問屋を介さない流通体制によって販売店舗が品切れを避けるために多くの在庫を抱えるリスクも、
逆に人気のあまりソフトが店頭に並ばないといった事態も防ぎつつ、
常に店頭にソフトが並んでいるという状況を作ることに成功しました。

また、低価格で製造できることや問屋が売れないソフトを抱えるリスクをソフトの価格に転嫁するといったことがなくなり、
同時期にスーパーファミコンのソフトが1万円近くしたのに対し、
プレステでは5800円前後で販売することができました。
これらのことが、ソフトの消費サイクルが格段にスピードアップしました。

第二に数多くのソフトを販売することができたことです。
プレステで発売されたゲームタイトルは最終的に3289タイトルとなり、
セガサターンの1058タイトル、NINTENDO64の208タイトルを圧倒しています。
ゲーム機が売れ行きはは質の高いゲームがそろっているかどうかによって大きく左右されます。
しかしそれと同時にソフトメーカーもヒットしそうな作品を開発するときには
その時に最も普及しているハードに向けて開発します。

当時任天堂は作品のクオリティ重視で基準を厳しく設けていたのに対し、
SONYは参入のハードルを大きく下げました。
ソフト開発のために初期投資しなければならない機材を任天堂のおよそ十分の一の価格で提供し、
開発の支援を手掛けるなどゲーム開発をバックアップしました。
これにより、規模の小さいメーカー、新興メーカーから意欲作がたくさん発売され、
バラエティ豊かなソフトのラインナップを早々実現しました。

さらに、これまで任天堂ハードで発売されていた日本を代表するRPGであるファイナルファンタジーシリーズとドラゴンクエストシリーズの最新作がどちらもプレステで発売されました。
特にファイナルファンタジーの最新作であった「ファイナルファンタジーⅦ」は3日で200万本以上売り上げ、
プレステ本体の売り上げにも大きく貢献しました。

こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。
本日は「CHANELのブランド保持」についてお話します。
CHANELは世界的に有名なハイブランドとして、愛されてきました。
特にオートクチュールが富裕層や権力者の中で人気を獲得していました。

高貴でブレることのないデザインと非常に高い完成度を誇るブランド。
そんなCHANELのトップデザイナーとして長きに渡り活躍したのが、カールラガーフェルドです。
彼は2019年に亡くなるまで現役のデザイナーとしてCHANELのアイテムを生み出し、
人々を魅了し続けました。
ですが彼の仕事はインスピレーションが湧いたらそれを素早く絵にすることと、プロトタイプとして持ってこられた服について指示するのみです。

カールの指示をまた別のデザイナーが具体的な形にし、それをお針子さん達に指示してカールのアイデアを再現させます。
このような分業はほとんどすべてのファッションブランドが行っていることで、
特に珍しいわけではありません。ですが、CHANELほどのブランドが分業化をしながら、
トップから末端までクオリティを落とすことなく、厳格にその権威あるアイテムたちを生み出し続けたのか。

それは比較的シンプルな答えですが、「CHANELに所属する人が、それぞれの仕事に高い誇りを抱いているため」です。
大きな企業ほど、トップの意向を末端に伝えることが難しくなります。
しかしCHANELではカールを神のように扱い、彼のデザインは絶対とされます。
他のデザイナーは彼の意見を100%汲み取った服を作るようにし、その元をお針子さん達が作ります。
そこにはミリ単位のずれも許されず、非常に厳格な作業になります。

ファッションショーが近づいた時には深夜まで作業を強いられます。それでもカールは妥協せず、
ショーの直前になって新たなアイデアを出すこともあります。

どれだけ振り回されても、トップデザイナーには絶対に従い、
かつクオリティの高いものを作り続ける。

精神論的な話にはなってしまいますが、ここまで強くこだわり続ける根幹にあるのはやはりプライドです。
特にこのプライドを持って仕事をするというのはヨーロッパの方で顕著にみられることです。
日本にCHANELの様なハイブランドが存在しない理由の一つとして、
ヨーロッパの人々と日本人とでは仕事に対する姿勢や考え方が異なるということも挙げられるのです。
国民性やそれに由来する考え方が企業の在り方に現れることは珍しくなく、今回挙げたCHANELはその一例です。