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2024/28/06(FRI)

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USJの経営回復はどのように実現したか①

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皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。
今週はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)の経営回復について数週に分けてお話ししようと思います。

USJは2022年に年間入場者数1235万を記録し、
その年の世界のテーマパークの入場者数で東京ディズニーランド・ディズニーシーを超え世界第三位になりました。
このことからUSJは今や日本一のテーマパークであるといっても過言ではありません。

ところが、そんなUSJにも入場者数の不振により経営難に陥ったことがあります。
USJが開業した2001年こそ年間入場者数1100万人を超えたもののそこから入場さ数は右肩下がりとなり、
2010年には750万人となってしまいました。

まずは、なぜUSJの入場者数が減少してしまったのかについてお話ししようと思います
。一つ目は、USJは「家族」に弱かったということです。
テーマパークの来場者の中で最も多い割合を占めているのは子供連れの家族です。
つまり、当時のUSJは家族に弱いという弱点はとても致命的なものでした。
USJには楽しいアトラクションはたくさんあるのに、
ほとんどのアトラクションには身長制限があるため小さな子供が乗ることができなかったのです。
そのため、家族連れは東京ディズニーランドなどの他の場所に行ってしまうため来場者低迷の要因となっていました。

二つ目は、映画という狭い枠組みにとらわれていたことです。
世の中には映画の他にも、ゲーム、コンサート、テレビ、スポーツ、アニメなど数多くのエンターテインメントがあります。
そして日本人がエンターテインメントに使うお金のなかで映画が占める割合は、
たったの1割だということがマーケッティング調査により明らかになっています。
つまり、USJが映画に特化したテーマパークである限り残りの9割の人々をみすみす見逃しているということになるのです。

これらには理由があり、もともとUSJは「ハリウッド映画が好きな大人のためのテーマパーク」というコンセプトがありました。
そのコンセプトを遵守するほど、ターゲットを狭めてしまっていました。

さらに、USJは大阪という立地のため商圏人口が東京ディズニーランドと比べて低いという弱点もありました。
東京ディズニーランドはUSJとくらべて約3倍の商圏人口を持っています。
そのため、入場者数を多くするならば東京からの入場者数を増やす必要がありました。
しかしそこには「3万円の川」と言われる問題があります。
東京から大阪に行くには往復の交通費として3万円という金額がかかってしまうのです。
ですから、東京からの来場者を増やすには往復の交通費3万円かかっても行きたいと思わせるような、強い魅力のあるものが必要になります。

2010年にUSJに入社した森岡毅さんはUSJのマーケティング責任者となり、
USJの経営を立て直すべく動き始めます。
フロリダのユニバーサル・スタジオに視察に行った森岡さんはそこで試験的に導入されたハリーポッターエリアを見て、
USJにも2014年にハリーポッターエリアを導入することを決断します。
ハリーポッターエリアならば東京からも3万円の川を渡って人が来ると考えたのです。
しかしそのためには450億円という莫大な金額が必要でした。
そのためハリーポッターエリアを作るためには投資額をほぼ0円にしながら、
残りの3年間来場者数を伸ばす必要がありました。
その時にどうやって来場者数を伸ばしたのかについて来週はお話ししようと思います。

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