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2024/28/06(FRI)

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USJの経営回復はどのように実現したか②

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皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。
先週はUSJの入場者数が右肩下がりになっていた要因と、
当時のマーケティング責任者だった森岡毅さんが高い集客力を期待できるハリーポッターエリアを2014年に導入することを決断したことをお話ししました。
今週はハリーポッターエリア開業前にどのようにして来場者数を伸ばしたのかについてお話ししようと思います。

先週も軽く触れましたが、ハリーポッターエリアを導入するためには450億円という莫大な金額がかかるため、
それ以外の事柄に大金を投資することはできませんでした。
そのため限りなく少ない予算で2011年から2014年までの期間入場者数を伸ばさなければならなかったのです。

まず2011年はUSJの10周年となる年であり、
USJも事前に入念に準備し万全の状態でイベントがスタートした数日後に、
東日本大震災が起こってしまいました。その結果日本全体が一気に自粛ムードとなってしまい
日本中のテーマパークに人が来なくなってしまいました。

そこで森岡さんはテーマパークに遊びに行くことを肯定してあげる必要を感じ、「関西から日本を元気に」というコンセプトに、
関西に住む大人一人につき子供一人分の入場料をタダにするという策を打ち出します。
その結果USJにお客さんを呼び戻すことに成功しました。

次に2011年の夏には「ワンピース」を大々的に宣伝しました。
USJは2005年から映画以外のキャラクターイベントを行っていました。
その一つにワンピースのショーもありました。しかし映画のテーマパークというコンセプトから、
世間にあまり認知されず細々とやっているだけでした。

ワンピースという作品は単行本だけで4億冊以上売り上げており、世界中にファンがいる作品です。
そこで森岡さんはワンピースショーを徹底的に宣伝することでワンピースファンをUSJに呼び込もうと考えたのです。
しかも元からやっていたショーを少し変えるだけなのであまりお金もかかりません。
結果は森岡さんの予想通り、USJに全国からワンピースファンが押し寄せました。

そして2011年の秋には今となっては定番となっているハロウィーンイベント「ハロウィーン・ホラー・ナイト」を開催しました。
もともとUSJは昼間にハロウィーンパレードを行っていましたがその集客効果はせいぜい7万人ほどで、イベントとしては赤字でした。
そのため黒字にするにはどうにかしてよりたくさんの来場者を獲得しなくてはならなかったのです。
そこで森岡さんはターゲットを絞り、若い女性がストレス発散に思いっきり叫べるイベントを開催すればよいのではないかと考えます。
そしてパーク内に何百体ものゾンビを放ち、パーク全体をお化け屋敷のようにしてしまう「ハロウィーン・ホラー・ナイト」が始まったのです。

このイベントも従業員がボディペイントや特殊メイクでゾンビの姿になるだけで、
あとはパークの照明を暗くすればよいだけなのであまりお金がかかりません。

さらにその年の冬は世界最大のクリスマスツリーを作り、人々の興味を引くことに成功します。
世界最大のクリスマスツリーと聞くと結構お金がかかりそうに聞こえますが、
よくよく考えてみるとギネス記録を持っているクリスマスツリーより少し高く作ればよいだけなので意外とお金がかからないのです。

こうして2011年は前年よりも100万人以上多い来場者数を記録しました。
翌年の2012年には以前から工事を進めていたエルモ、スヌーピー、ハローキティもメインにした「ユニバーサル・ワンダーランド」がオープンします。これによりUSJの家族に弱いという弱点も解消しました。
結果家族層の入場者数が25%アップし、年間入場者数も前年からさらに100万人以上増加しました。

さてここまで順調に来場者を伸ばしていったUSJですが最大の問題は2013年にやってきます。
それは一体何なのかは来週お話ししようと思います。

ぜひ一緒にCreateしましょう!

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