2026年度から、「IT導入補助金」は**「デジタル化・AI導入補助金」**へと名称が変更されました。
これまでIT導入補助金は、
「比較的申請しやすい」
「インボイス枠なら採択されやすい」
「加点を取ればかなり通りやすい」
といったイメージを持たれることも多い補助金でした。
しかし、2025年度以降、その状況は大きく変わっています。
当社でもIT導入支援事業者様や申請事業者様から、
「昨年と同じように申請したのに不採択になった」
「加点を取得したのに通らなかった」
「何を改善すればいいのかわからない」
といったご相談が増えています。
そこで今回は、2026年度の採択結果から、現在のデジタル化・AI導入補助金で意識したいポイントを整理します。
2026年度第3回締切までの通常枠の採択率を見ると、
第1回:43.9%
第2回:43.6%
第3回:42.2%
となっています。note(ノート)
3回連続で40%台前半です。
つまり、
「2026年度になれば、以前のように採択されやすくなる」
という状況にはなっていません。
2025年度も採択率は大きく低下していましたが、2026年度も引き続き、申請内容をしっかり作り込む必要がある補助金になっていると考えています。
デジタル化・AI導入補助金について、よくある誤解があります。
それは、
「対象企業で、対象ITツールを導入すれば補助金がもらえる」
というものです。
実際には、
「補助対象になる」
ことと、
「審査で採択される」
ことは別です。
申請企業がどのような課題を抱えているのか、その課題に対して導入するITツールが適切なのか、導入後にどのような生産性向上が期待できるのか、といった点も重要になります。noteでも、単なる要件充足ではなく、「自社の経営課題」と「導入ITツール」の一致が重要だと整理しています。note(ノート)
例えば、申請内容として、
業務効率化のため顧客管理システムを導入する。
とだけ記載しても、十分とは言えません。
それよりも、
現在、顧客情報を担当者ごとのExcelで管理しており、転記や確認に月○時間を要している。CRMを導入することで顧客情報・商談履歴を一元化し、事務作業を○%削減する。削減した時間を新規営業活動に充て、年間商談件数を○件増加させる。
というように、
現状 → 課題 → IT導入 → 改善 → 数値効果 → 売上・生産性向上
までつなげることが重要です。
2026年度は、単に「便利になる」「時間が減る」という説明ではなく、
「その結果、会社がどう成長するのか」
まで考える必要があると感じています。
もちろん、
など、取得できる加点は積極的に取得すべきです。
しかし、
「加点を取れば採択される」
というものではありません。
当社でも、加点を取得していても不採択となる案件は実際にあります。
2025年度の記事でも、賃上げ加点を取得しながら不採択となった事例が多数あり、2026年度についても、加点以外の申請内容そのものをしっかり整える必要があります。note(ノート)
ここも非常に重要です。
同じITツールを導入し、
同程度の申請額で、
似たような加点を取得していても、
採択される企業と不採択になる企業があります。
つまり、
「このツールなら採択されやすい」
という単純な話ではありません。
当社では、実際の採択案件・不採択案件を比較し、
などについて分析しています。
これからデジタル化・AI導入補助金を申請する企業は、最低限次の5点を確認していただきたいと思います。
特に重要なのは、
「システムを買いたいから補助金を使う」
ではなく、
「この経営課題を解決するために、このシステムが必要」
という順番で考えることです。
今回、当社が実際にサポートした案件について、
採択案件と不採択案件の違い
をより詳しく分析しました。
noteでは、
などをまとめています。note(ノート)
特に、
「実際に採択された案件と不採択案件では何が違うのか」
を知りたい方には、参考にしていただける内容になっています。
▶ 【デジタル化・AI導入補助金2026】第3回募集までの採択結果を徹底分析|2025年との違いと今後の対策
Buddieate株式会社では、デジタル化・AI導入補助金をはじめ、
など、中小企業向け補助金の申請支援を行っています。
「自社が対象になるかわからない」
「どの補助金を使うべきかわからない」
「事業計画の作り方がわからない」
という場合は、お気軽にご相談ください。
2026年7月21日、政府は「経済財政運営と改革の基本方針2026」、いわゆる
「骨太の方針2026」を閣議決定しました。
今回の副題は、
「『責任ある積極財政』元年 ~日本の挑戦を起動する!~」です。
「骨太の方針」は、今後の政府の経済財政政策や予算編成の基本的な方向性を示す重要な文書です。
そのため、
を考えるうえでも、非常に重要な資料となります。
今回は補助金申請支援を行うBuddieate株式会社の視点から、
「骨太の方針2026」から見える2027年度以降の中小企業支援の方向性
を分かりやすく解説します。
今回の骨太の方針2026を一言で表すと、
「日本国内への投資を増やし、経済そのものを強くする」
という方向性です。
政府は、日本の潜在成長率が長年の「未来への投資不足」によって低迷してきたと分析しています。
そのため今後は、
などを官民一体となって進める方針が示されています。
さらに政府は2027年度を、
「責任ある積極財政元年」
と位置付けています。
つまり今後の中小企業政策についても、
「会社を維持するための支援」よりも、「会社を成長させるための投資支援」
がより重視される可能性があります。
今回の骨太方針で非常に重要なのが、
「危機管理投資」と「成長投資」という考え方です。
政府は国内投資を増やし、日本企業の供給力や競争力を高めることを政策の中心に据えています。
さらに、2040年度に
国内投資250兆円
を実現することを官民の目標として掲げています。
つまり国としても、
「企業にもっと設備投資をしてほしい」
「新しい技術を導入してほしい」
「新しい事業へ挑戦してほしい」
という方向へ政策を進めているということです。
中小企業にとっても、今後の補助金や税制支援を考えるうえで非常に重要な流れと言えます。
2027年度予算に向けて注目したいのが、
「強く豊かな日本」投資枠です。
骨太の方針2026では、危機管理投資や成長投資を安定的に実施するため、
新たな投資枠を設ける方針が示されています。
これにより今後、
などに対して、政策的な支援が厚くなる可能性があります。
この投資枠がそのまま中小企業向け補助金になるとは限りませんが、
設備投資・AI・省力化・新事業関連の支援策に予算が重点配分される可能性は高いと考えています。
Buddieateとして特に注目しているのが、
省力化投資です。
日本では今後、人口減少によって働く人そのものが減っていきます。
そのため、
という経営転換が必要になります。
現在でも「中小企業省力化投資補助金」などがありますが、
今後も省力化は中小企業支援の中心テーマになると考えられます。
今後の補助金では、
「何人分の作業を減らせるのか」「作業時間が何%短縮されるのか」
など、定量的な投資効果がより重要になると考えられます。
今回の骨太方針を見るうえで、もう一つ重要なのがAIです。
AIは今後、
一部の先進企業だけが使う特別なツールではなく、企業経営の前提
になっていく可能性があります。
例えば中小企業でも、
など、様々な分野で生成AIを活用できます。
特に今後は、
「AI × 省力化」
が補助金・中小企業政策における重要なキーワードになる可能性があります。
これまで大型の成長支援策というと、
売上高10億円以上の企業や「100億企業」を目指す企業が注目されてきました。
一方で、今後は
売上高1億円~10億円程度の企業を次の成長段階へ引き上げる支援
にも注目が集まっています。
これは地方企業にとっても非常に重要です。
長野県内にも、
と成長できる可能性を持った企業は多数あります。
今後はこうした企業への
設備投資・人材・経営計画・資金調達を一体的に支援する制度
が重要になってくる可能性があります。
一方で、骨太の方針2026では、
補助金・基金等の費用対効果を検証していく方向性
も示されています。
つまり、
が今まで以上に問われる可能性があります。
例えば、
「設備が古くなったから、新しい設備を購入したい」
だけではなく、
といった説明が重要になります。
今後は、
「補助金を取るための計画」ではなく、「成果を出すための計画」
がより重要になるでしょう。
骨太の方針2026では、賃上げも引き続き重要な政策テーマとなっています。
国が目指しているのは単純な賃金引上げだけではありません。
重要なのは、
という好循環です。
現在の主要な設備投資補助金でも、
賃上げは要件や審査項目として非常に重要になっています。
今後も、
「生産性を上げ、その成果を従業員へ還元できる企業」
が政策支援を受けやすくなると考えられます。
今回の骨太方針では、
「強い地域経済の構築」
も重要なテーマとなっています。
人口減少が進む地方では、
などを通じて地域経済そのものを強くしていく必要があります。
今後の補助金でも、
自社だけでなく地域全体への波及効果
が重要になる可能性があります。
例えば、
といった計画は、政策的にも意義のある投資と評価されやすくなると考えられます。
| 注目分野 | 今後期待される支援 |
|---|---|
| 省力化 | 自動化設備、ロボット、ICT機器等 |
| AI・DX | 生成AI、業務システム、データ活用 |
| 成長投資 | 大型設備、新拠点、工場等 |
| 新事業 | 高付加価値事業への進出 |
| 売上1~10億円企業 | 次の成長ステージへの支援 |
| 人材育成 | AI・DX・専門人材のリスキリング |
| 賃上げ | 生産性向上と賃上げを組み合わせた支援 |
| 地域投資 | 地域経済への波及効果がある事業 |
| M&A・事業承継 | 経営資源の集約・承継・再編 |
補助金は、公募が始まってから初めて投資計画を考えると準備期間が足りなくなることがあります。
2027年度の政策を見据えるのであれば、今から次のような準備をおすすめします。
設備、新事業、DX、AI、人材など、今後必要となる投資をあらかじめ整理しておきます。
どの作業に何時間かかっているかを把握しておくことで、
省力化設備を導入した場合の効果を数字で説明しやすくなります。
単にシステムを導入するのではなく、
「そもそも人が行う必要のない業務はないか」という視点で業務を見直します。
今後の補助金では、投資効果を具体的な数値で説明する重要性がさらに高まると考えられます。
大型設備投資では、補助金だけではなく融資との組み合わせが必要になります。
補助金の公募開始後ではなく、事前に金融機関と投資計画を共有しておくことも重要です。
骨太の方針2026から読み取れる大きなメッセージは、
ということです。
特に中小企業については、
省力化・AI・DX・成長投資・賃上げ
が今後さらに重要になると考えられます。
これからの補助金は、
「設備を買うための補助金」から、
「企業を成長させるための投資支援」へ
という色合いがさらに強くなる可能性があります。
Buddieate株式会社では、単に「どの補助金が使えるか」だけではなく、
といった段階からご相談いただけます。
2027年度に設備投資、新事業、AI・DX、省力化などをご検討されている企業様は、
ぜひ早めにご相談ください。
※本記事は、2026年7月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026」等をもとに、
Buddieate株式会社が中小企業向けに整理・解説したものです。
今後の予算編成や制度設計によって、具体的な補助制度・要件等は変更される可能性があります。
皆様こんばんは、Buddieate株式会社代表の高司です。 いよいよ概算要求も出てきており、来年の補助金動向が気になっている経営者の方も多いと思います。 そこで、少し前の話ではございますが、中小企業政策審議会から読み解く今後の中小企業支援策についてお話したいと思います。 2026年5月20日、第45回「中小企業政策審議会」が開催されました。 今回のテーマは、 「労働供給制約社会における中堅・中小企業の『稼ぐ力』強化戦略」 です。 少し難しいタイトルですが、これから補助金や国の中小企業支援策がどの方向へ向かっていくのかを考えるうえで、非常に重要な内容となっています。 実際、この審議会で議論された内容を踏まえ、2026年6月24日には中小企業庁から「労働供給制約社会における中堅・中小企業の『稼ぐ力』強化戦略」が正式に公表されました。 今回の記事では、補助金申請支援を行っているBuddieate株式会社の視点から、
これから国はどんな中小企業を支援していくのか
補助金は今後どのように変わっていく可能性があるのか
中小企業は今から何を準備しておくべきなのか
について、できるだけ分かりやすく解説します。
結論から申し上げますと、 「会社を維持する支援」から「会社を強くする支援」へという意図が強く感じられます。 今回の資料を一言でまとめると、 中小企業政策が「現状維持を支える政策」から「稼ぐ力を高め、成長する企業を支援する政策」へ、さらに大きくシフトしていく ということです。 背景にあるのは、日本の人口減少と深刻な人手不足です。 今後、働く人そのものが減少していく以上、 「人が採用できるようになるまで待つ」 「安い人材を確保して事業を維持する」 という経営だけでは事業を維持することが難しくなります。 そのため国は、現状維持ではなく、 事業再構築・生産性向上・事業再編などに取り組む中堅・中小企業を支援し、「稼ぐ力」と賃上げの好循環をつくる 方向性を明確にしています。 これは、今後の補助金を考えるうえでも非常に重要な考え方です。
① 「人手不足対策」から「省力化・生産性向上」へ これから最も重要になるキーワードの一つが、 「労働供給制約」 です。 つまり、人手不足は一時的な問題ではなく、これからずっと続く経営条件である という前提で政策を考えるということです。 したがって、国としても単純な人材確保だけではなく、
省力化設備
自動化
ロボット導入
DX
AI活用
業務プロセス改善
高付加価値化
などによって、
「今まで10人で行っていた仕事を、5人・6人でもできる会社にする」
ことへの支援を強化していく可能性が高いと考えられます。
現在すでに「中小企業省力化投資補助金」や「デジタル化・AI導入補助金」などがありますが、今後もこの分野は中小企業政策の中心になっていくでしょう。
② AI活用は中小企業にとってさらに重要になる 今回の政策を見るうえで、Buddieateとして特に注目しているのがAI活用です。 AIは単なる「便利なツール」ではなく、 人手不足の中でも売上・利益を増やすための経営インフラ として扱われ始めています。 例えば、
見積書作成
提案書作成
営業資料作成
議事録作成
マニュアル作成
顧客対応
SNS・広告作成
データ分析
採用業務
社内教育
など、これまで人が何時間もかけていた業務をAIによって短縮できる可能性があります。 人を減らすためではなく、 「人にしかできない高付加価値な仕事へ時間を振り向ける」 ためのAI活用が重要になります。
③ 「賃上げできる会社」が政策支援を受けやすくなる 今回の戦略でも非常に強く打ち出されているのが、 賃上げです。 国は賃上げを単なる従業員への利益還元とは位置付けていません。 人材を惹きつけ、生産性向上への投資を促し、企業そのものを変えていくための成長戦略の起点として位置付けています。 この考え方は、すでに現在の補助金にも強く反映されています。 例えば、
ものづくり補助金
新事業進出補助金
省力化投資補助金
中小企業成長加速化補助金
などでは、賃上げが重要な要件・審査項目になっています。
したがって今後は、
「設備投資をするから補助金をください」
だけではなく、
設備投資 → 生産性向上 → 利益増加 → 賃上げ
というストーリーを作れる会社ほど、政策支援を受けやすくなると考えられます。
④ 「100億企業」だけではなく「10億企業」も政策ターゲットへ
今回の審議会で特に注目したい動きが、
売上高1億円~10億円程度の中小企業への成長支援
です。
現在、国は売上高100億円を目指す中小企業を対象として「100億宣言」や「中小企業成長加速化補助金」などを展開しています。
100億宣言は、売上高10億円以上100億円未満の中小企業が100億円という目標を掲げ、成長投資等に取り組む制度です。
一方、5月20日の審議会では、そのさらに手前にいる、
売上高1億円~10億円未満の企業
にも成長企業を生み出す仕組みを広げる方向性が示されています。
いわゆる、「10億円企業」を増やす政策
です。
まだ制度の詳細が確定しているわけではありませんが、
経営者の成長ビジョン
自社の強み・事業価値
設備投資
販路拡大
人材・組織づくり
金融機関との連携
などを一体的に支援していく方向性が示されています。 これは地方の中小企業にとって非常に重要な動きです。
⑤ 補助金だけではなく「金融機関との連携」が重要になる 今後の中小企業政策では、 「補助金+融資」 という考え方がますます重要になりそうです。 大型投資を行うためには、補助金だけでは資金が足りません。 例えば1億円の設備投資に対して補助率が1/2だったとしても、企業側は相当額の資金を準備する必要があります。 そこで、
地方銀行
信用金庫
日本政策金融公庫
信用保証協会
などとの連携が重要になります。
特に成長企業については、
経営者・支援機関・金融機関が一緒になって成長計画を作る
方向へ政策が進んでいく可能性があります。
そのため今後は「補助金の申請書を作る」だけではなく、
3~5年程度の中長期経営計画を作り、金融機関にも説明できる会社
が有利になってくるでしょう。
⑥ M&A・事業承継・事業再編もさらに重要に 人口減少の中では、すべての企業をそのまま維持することは難しくなります。 そのため今回の戦略でも、 M&A・事業承継等による事業再編 が主要政策の一つとして位置付けられています。 例えば、 「後継者がいないので廃業する」 だけではなく、 「地域の別会社が事業を引き継ぐ」 「M&Aによって人材・顧客・設備を引き継ぐ」 といった選択肢がさらに重要になります。 現在も「事業承継・M&A補助金」がありますが、今後も重要な政策分野になると考えられます。
⑦ 小規模事業者についても「稼ぐ力」がキーワードに 今回の流れは、売上数十億円の企業だけを対象としたものではありません。 小規模事業者についても、 「稼ぐ力」 を高めることが大きな政策テーマになっています。 中小企業庁は、小規模事業者についても、 ・成長志向の事業者を生み出す ・持続的発展と賃上げを支援する ・経営管理能力を高める ・商工会・商工会議所等の支援機能を強化する
といった方向性を示しています。 つまり、 「小さい会社だから成長しなくてもいい」 ではなく、 小規模事業者にも生産性向上や高付加価値化を求める政策 へ変わりつつあると言えます。
今後、補助金はどう変わるのか? ここからはBuddieate株式会社としての見解です。 今回の政策審議会やその後の政府方針を見る限り、2027年度以降の補助金では、次のテーマがさらに重視される可能性が高いと考えています。
注目分野 |
今後の方向性 |
|---|---|
省力化 |
人手不足を設備・IT・AIで補う投資 |
AI・DX |
少人数でも生産性を高める仕組みづくり |
成長投資 |
売上10億円・100億円を目指す企業への大型投資支援 |
賃上げ |
生産性向上と賃上げをセットで評価 |
新事業 |
高付加価値分野への事業転換 |
M&A・事業承継 |
経営資源を次の企業へ引き継ぐ |
金融支援 |
補助金と融資を組み合わせた成長投資 |
経営計画 |
単年度ではなく3~5年以上を見据えた経営戦略 |
つまり、今後の補助金では、 「何を買うか」よりも「その投資によって会社をどう変えるのか」 がさらに重要になっていくと考えています。
長野県の中小企業こそ、今から準備しておくべき 長野県でも、
建設業
製造業
運送業
宿泊・観光業
飲食業
介護・サービス業
など、多くの業種で人手不足が深刻になっています。 だからこそ、 「人が採用できたら成長する」 のではなく、 「今の人数でも成長できる会社をつくる」 ことが重要です。 例えば、 10人で1億円を売る会社から、 10人で2億円を売る会社へ。 そのために、 設備、IT、AI、新事業、M&A、人材育成などを組み合わせていく。 今後の国の中小企業政策は、こうした企業を積極的に支援する方向へ向かっています。
Buddieateが考える「今からやっておくべき5つのこと」 今後、補助金や政策支援を上手に活用するために、企業の皆様には今から次の5点を整理していただくことをおすすめします。 ① 3~5年後の会社の姿を考える 売上高、従業員数、利益、事業内容をどうしたいのかを明確にします。 ② 人手不足になることを前提に業務を見直す 「採用する」だけではなく、「そもそもこの仕事を人が行う必要があるか」を考えます。 ③ 設備・DX・AI投資を検討する 省力化できる業務を整理し、必要な投資を洗い出します。 ④ 賃上げできる収益構造をつくる 単なる賃上げではなく、価格転嫁・生産性向上・高付加価値化とセットで検討します。 ⑤ 金融機関と早めに話をする 大型投資では融資が必要になる可能性があります。補助金の公募が始まってからではなく、事前に金融機関と経営計画を共有しておくことが重要です。
まとめ|2027年度以降、「補助金を取る会社」から「成長する会社」へ 2026年5月20日の中小企業政策審議会から見えてくる国の方向性は、非常に明確です。 「人手不足でも成長できる強い中小企業をつくる」 ということです。 そのため、
省力化
AI・DX
成長投資
賃上げ
新事業
M&A・事業承継
金融機関との連携
などへの支援が今後さらに重要になると考えられます。 これからは、 「補助金が出たから設備を買う」のではなく、「会社をこう成長させたい。そのための投資に補助金を使う」 という発想がますます重要になります。 Buddieate株式会社では、補助金申請だけでなく、 「どの補助金を使うべきか」 「今後どのような投資を行うべきか」 「3~5年後を見据えてどのような事業計画を作るべきか」 という段階からご相談を承っています。 設備投資、新事業、AI・DX、省力化、事業承継などをご検討されている企業様は、お気軽にご相談ください。 ※本記事は、2026年5月20日に開催された第45回中小企業政策審議会の資料および、その後2026年6月24日に公表された「労働供給制約社会における中堅・中小企業の『稼ぐ力』強化戦略」等をもとに作成しています。今後、各制度の具体的な要件・予算・公募内容等は変更される可能性があります。
皆様こんにちは、Buddieate株式会社代表の高司です。
2027年度(令和9年度)に向けて、国の中小企業支援政策が大きく動き始めています。
経済産業省が公表した「令和9年度 経済産業省関係 概算要求等概要」では、AI・ロボット、省力化、GX、事業承継、地域産業クラスターなどへの大型投資が盛り込まれています。
特に中小企業向けの政策については、単なる設備導入支援ではなく、
「成長投資を促し、生産性を高め、最終的に賃上げへつなげる」
という方向性がより鮮明になっています。
この記事では、令和9年度概算要求をもとに、2027年度の補助金政策の方向性と、中小企業が今から注目しておきたい分野について解説します。
令和9年度概算要求では、中小企業政策の柱として、
「賃上げ起点の成長戦略と地域産業クラスターの形成」
が掲げられています。
この分野には、1兆3,841億円が要求されており、そのうち「強く豊かな日本」投資枠として1兆2,818億円が位置付けられています。
今後は、単純に設備を導入すること自体が目的ではなく、
設備投資
↓
生産性向上
↓
付加価値向上
↓
売上・利益向上
↓
賃上げ
という流れを明確に説明できる事業計画が、これまで以上に重要になると考えられます。
2027年度において最も注目したい制度の一つが、
「新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業」
です。
令和9年度概算要求では、2,200億円の新規事業として計上されています。
別表にも同様に、2,200億円の要求額が明記されています。
現時点では具体的な公募要件や補助上限額は公表されていませんが、
などを幅広く支援する制度になる可能性があります。
これまで「新事業進出補助金」や「ものづくり補助金」の活用を検討していた企業は、引き続き注目すべき分野です。
人手不足が深刻化するなか、2027年度も省力化投資は重要政策として位置付けられています。
令和9年度概算要求には、
「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」
として、約1,375億円が計上されています。
特に注目すべきなのは、制度名称に「賃上げに向けた省力化」と明記されている点です。
つまり、
人手不足
↓
省力化設備導入
↓
生産性向上
↓
利益改善
↓
賃上げ
という流れが、今後の重要な政策テーマになることが分かります。
製造業、建設業、物流業、宿泊業、介護業、飲食業など、人手不足が深刻な業種では特に活用余地が大きい分野です。
令和9年度概算要求では、
AX(AI・半導体・ロボット)分野に1兆9,913億円
が計上されています。
国は、単なる生成AIの利用にとどまらず、
現場データ×AI×ロボット
による生産性向上を重視しています。
具体的には、
などが支援対象として想定されています。
中小企業においても、今後は
などの導入が、補助金活用の有力テーマとなる可能性があります。
GX・省エネルギー分野も引き続き大型の予算が組まれています。
特に、
省エネルギー・非化石転換の投資促進・社会実装支援事業
については、2,108億円が要求されています。
対象となり得る設備としては、
などが考えられます。
特に製造業、宿泊業、食品製造業など、エネルギー使用量が多い企業にとっては、今後も重要な補助分野となります。
事業承継やM&Aも、2027年度の重要政策です。
令和9年度概算要求では、
「中小企業活性化・事業承継総合支援事業」
として、280億円が計上されています。
これまでの事業承継支援は「後継者不在への対応」という側面が強いものでしたが、今後は、
といった、成長戦略としての事業承継がより重視されていくと考えられます。
令和9年度概算要求では、新たに、
「地域の産業クラスター形成に向けたサプライチェーン形成支援補助金」
として、1,000億円が計上されています。
今後は、単独企業だけでなく、
などが連携して、地域産業を育てる取り組みも重要になってきます。
長野県であれば、
などの分野が対象となる可能性があります。
2027年度は、補助金の内容だけでなく、審査の考え方にも変化が見られます。
経済産業省では、補助金・基金について、
といった観点から自己点検を実施しています。
今後は、単に「補助金を使った」だけではなく、
補助事業終了後にどれだけ売上・利益・生産性・賃金が向上したか
という成果がより重視される可能性があります。
また、一部の事業ではAIを活用した採択案件の分析も検討されています。
そのため今後は、
補助金申請のための計画ではなく、企業成長のための計画を作ること
が非常に重要になります。
資料では、「10億宣言」を踏まえた中小企業の成長支援についても触れられています。
今後は、
なども補助金審査の重要なポイントになる方向性が示されています。
これまで以上に、補助金と融資を組み合わせた資金調達戦略が重要になります。
| 注目分野 | 主な支援内容 | 注目度 |
|---|---|---|
| 新事業進出・ものづくり | 新市場進出、新製品開発、設備投資 | ★★★★★ |
| 省力化・大規模成長投資 | 自動化、省人化、大型設備投資 | ★★★★★ |
| AI・ロボット | AI導入、ロボット、自動化 | ★★★★★ |
| 事業承継・M&A | 事業承継、M&A、経営資源引継ぎ | ★★★★★ |
| 地域産業クラスター | 地域企業・自治体連携 | ★★★★★ |
| GX・省エネ | 省エネ設備、EV、蓄電池、再エネ | ★★★★☆ |
| 業務改善・賃上げ | 生産性向上と賃金引上げ | ★★★★☆ |
| 人材育成・リスキリング | AI、DX、人材育成 | ★★★★☆ |
| Go-Tech | 研究開発、技術開発 | ★★★☆☆ |
| 海外展開 | 輸出、海外市場開拓 | ★★★☆☆ |
2027年度の補助金を有効活用するためには、公募開始後に準備を始めるのではなく、今から次のような内容を整理しておくことが重要です。
補助金は単独で考えるのではなく、
補助金+融資+設備投資+賃上げ+人材育成
を一体で考えることが、今後ますます重要になります。
当社では、2027年度は特に以下の分野に注目しています。
新事業進出やものづくりを活用し、新しい売上の柱を作る取り組み。
人手不足を解消しながら、生産性向上と賃上げにつなげる取り組み。
後継者不在への対応だけでなく、企業成長につながるM&Aや事業承継。
エネルギーコスト削減と脱炭素投資を両立する設備導入。
自治体や金融機関、複数企業が連携した大型プロジェクト。
今後は、単なる「補助金申請」ではなく、
企業の成長戦略そのものを設計し、その実現手段として補助金を活用すること
が重要になっていくと考えています。
令和9年度概算要求を見る限り、2027年度の中小企業政策は、
「補助金を広く配る政策」から「成長する企業へ重点的に投資する政策」
へとさらに変化していく可能性があります。
特に、
といったテーマは、今後の中小企業経営において非常に重要になります。
また、経済産業省関連の令和9年度概算要求総額は7兆7,859億円、「強く豊かな日本」投資枠だけでも6兆3,116億円となっており、政府が大規模な成長投資を進める姿勢が示されています。
ただし、現時点ではあくまで概算要求段階です。
今後、年末の予算案や補正予算、公募要領等によって、
などが変更される可能性があります。
Buddieate株式会社では、今後も国・長野県等の最新情報を確認しながら、2027年度の補助金・助成金情報を随時ご案内してまいります。
2027年度の設備投資、新事業、省力化、AI導入、事業承継等をご検討されている企業様は、早い段階から事業計画を整理しておくことをおすすめします。
Buddieate株式会社では、補助金・助成金の制度選定から、事業計画書作成、電子申請、交付申請、実績報告まで一貫したサポートを行っています。
「2027年度に使えそうな補助金を知りたい」
「設備投資を予定しているが、どの補助金が使えるか分からない」
「新事業や省力化投資について相談したい」
といった場合も、お気軽にご相談ください。
Buddieate株式会社
TEL:0268-75-0823
Mail:info@buddieate.jp
※本記事は、令和9年度経済産業省関係概算要求等概要をもとに、2026年9月時点の情報で作成しています。今後、制度内容が変更される可能性があります。最新の公募要領・政府発表をご確認ください。
皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は7/15の「ファミコンの日」にちなみ、「ファミコン大ヒットの背景」についてお話しします。
7/15は「ファミコンの日」と呼ばれています。日本記念日協会に登録されているものではありませんが、1983年7月15日に任天堂が家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」を発売したことに由来しており、メディアやゲーム雑誌などでは「日本のゲームが家庭にやってきた最初の日」と言われています。
1983年に任天堂が発売した8ビット家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」は、赤と白の特徴的な本体デザインで、発売当時の価格は14,800円でした。テレビに接続して遊ぶカセット交換式のゲーム機であり、家庭にいながらアーケードゲームに匹敵する体験ができることがセールスポイントでした。発売後徐々に人気が広がり、『スーパーマリオブラザーズ』(1985年)や『ドラゴンクエスト』(1986年)などの大ヒットソフトと共に一大ブームを巻き起こし、最終的に世界累計6,291万台を出荷されました。
ファミコンが発売された当時、既に複数の家庭用ゲーム機(セガの「SG-1000」やカシオの「PV-1000」、トミーの「ぴゅう太」、日本物産の「マイビジョン」など)が市場にあり、ファミコンは後発の参入でした。そのような状況下でファミコンが空前の大ヒットを記録したのは、ひとえに他社製品に対する優れた製品戦略の賜物です。
ファミコンは競合機とほぼ同じ価格帯(15,000円前後)でありながらゲーム専用機として高い性能を実現していました。例えば、同日発売のSG-1000や数ヶ月後発売のPV-1000も14,800~15,000円程度でしたが、ファミコンほどのグラフィック表現力や音源性能は備えていませんでした。ファミコンは高性能8ビットCPUと専用グラフィックチップによりアーケードゲーム並みの映像・音楽を家庭で再現でき、「同価格帯なのに圧倒的に遊べる」という商品力で他社をリードしました。
さらに1984年以降、ナムコやハドソンといった有力ゲームメーカーが次々参入し、ソフトの種類と数が爆発的に増加します。サードパーティー製タイトルの豊富さによってユーザーの選択肢が広がり、「遊びたいゲームがファミコンに揃っている」状態を作り出しました。一方で競合機は自社開発や一部の移植作に頼らざるを得ず、タイトル数が限定的でした。例えばSG-1000は累計でも約70本弱のソフトしか出ず、PV-1000に至っては予定15本中13本の発売に留まり早々に撤退しています。ソフト資源の差が時間とともに市場シェアの差となり、ファミコンの優位性を決定づけました。
ファミコンの爆発的ヒットには時代背景も後押しがありました。1985年の風適法改正で18歳未満の夜間のゲームセンター立ち入りが規制されると、子どもたちは家で遊べる家庭用ゲームに一層熱中するようになります。またファミコンは玩具店だけでなく家電量販店でも販売され、値下げ戦略もあって一般家庭に普及が進みました。1980年代末には小中学生のいる家庭のほとんどにファミコンが行き渡り、友達の家に集まって対戦したり、学校で攻略情報を話し合ったりと、子ども文化の中心に「ファミコン」が存在していました。
ファミコンは発売から数十年経た今でも、そのブランド知名度は色あせていません。「ファミコン」という名前自体がテレビゲーム機全般の代名詞となり、今でも初代『マリオ』や『ゼルダ』といった名作が遊ばれ続けています。2016年には復刻版「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」も発売され、大きな反響を呼びました。他の昭和のゲーム機とは一線を画し、ファミコンだけは別格の存在感を放っています。世代を超えて愛されるファミコンは、時代を超えたエンターテインメントの象徴と言えるのかもしれません。
皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は「企業YouTubeとして異例の成功を成し遂げた有隣堂」についてお話しします。
有隣堂は神奈川県横浜市に本社を置く、創業から115年を超える老舗書店チェーンであり、神奈川県を中心に首都圏や関西に約40店舗を展開しています。紙の本の売り上げが低下し続けている現在では、書籍・文具の販売に加え、事務機器や楽器の販売、出版事業、図書館や地区センターの運営業務など多岐にわたる事業を展開しています。
そんな有隣堂が2020年6月30日に開設した公式YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」は、企業公式チャンネルとして異例の成功を収めています。2024年8月21日には、開設から1514日目(4年1ヶ月22日目)でチャンネル登録者数が30万人を突破し、現在では38万人を超えています(2025年7月10日現在)。これは、企業公式チャンネルとしては非常に高い数値であり、他の書店のYouTubeチャンネル登録者数が数千人から1万5千人程度である中、有隣堂だけが独走状態と評価されています。
「有隣堂しか知らない世界」のチャンネルコンセプトは「有隣堂のファンづくり」。書店は価格や品質、サービスで他社との差別化が難しい中、YouTubeを通じて有隣堂を知ってもらい、ファンになってもらうことを目的としています。動画は毎週火曜日に更新され、ミミズクをモチーフとしたキャラクター「R.B.ブッコロー」と、様々な分野に特化した「案内人」と呼ばれるゲストが出演し、書籍、文具、食品、雑貨、オフィス機器などをテーマに商品を紹介しています。動画タイトルは基本的に「○○の世界」であり、この「○○」にはその動画のテーマが入ります。
書店公式YouTubeと聞くと、書評や書店員によるオススメ本の紹介といった動画内容をイメージするのではないでしょうか?しかし「有隣堂しか知らない世界」では初回のテーマである「キムワイプ」をはじめとして、「レクサス」や「ログハウス」など有隣堂では取り扱っていない商品やそもそも書店とは一切関係のないテーマも数多く登場します。これがこのチャンネルの最大の特徴です。もちろん「読書用品の世界」や「作家の一日に密着」「書店の歩き方」といった書店ならではのテーマも存在します。
チャンネル開設のきっかけは、現社長の松信健太郎氏の「動画はこれから伸びるコンテンツ。やってみよう!」という一言でした。当初のチャンネルは「書店員つんどくの本棚」という名前で、書店員が書籍を紹介する内容でしたが、再生数や登録者数が伸び悩みました。そこで、動画クリエイターのハヤシユタカ氏が参加し、2020年6月に現在のチャンネル名と動画スタイルにリニューアルされました。以降、チャンネル登録者数は急増し、2021年には約36倍に増加して10万人を突破しました。
さらに、企業公式チャンネルとしては異例の生配信も行われています。2025年6月29日には、チャンネル開設5周年を記念して「ブッコロー1日店長!10時間密着生配信」が実施されました。このイベントでは、公式キャラクターのR.B.ブッコローが有隣堂伊勢佐木町本店の特設レジで接客を行い、その様子が10時間にわたってYouTubeで生配信されました。最大同時接続数は3,000人を超え、チャット欄には9,000件以上のコメントが寄せられるなど、大きな反響を呼びました。また、当日の伊勢佐木町本店の売上は過去20年間で最高実績を記録し、他店舗でも売上が伸長するなど、書店業の売上にも大きく貢献しました。
このような取り組みにより、有隣堂での買い物を「推しに課金してきた」と表現するファンも現れるなど、書店業の売上にも貢献しています。
「有隣堂しか知らない世界」は、企業公式チャンネルとしては異例の成功を収めており、書店業界における新たな可能性を示しています。今後も有隣堂の取り組みに注目です!
皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は、「ドン・キホーテの「偏愛めし」に学ぶニッチ戦略」についてお話します。
「偏愛めし」は、2023年11月1日にドン・キホーテが展開を開始した弁当・総菜ブランドです。その開発コンセプトは、ずばり「みんなの75点より、誰かの120点」。つまり、多くの人に無難に受け入れられる商品ではなく、特定の人から圧倒的な人気を獲得する商品を目指しています。開発者自身が「好きな人は絶対に好き!」と確信を持てる、個性的な偏愛メニューが数多くラインナップされています。
「偏愛めし」シリーズの商品ラインナップをいくつかご紹介します。
・新コリコリコリコリきくらげ中華丼:中華丼のきくらげが少なすぎて増やしていったら全部きくらげになってしまったという発想から生まれた中華丼
・ころもが主役のチキンカツ弁当:ソースが染み込むしっとりぶ厚いころもを追求し、ソースが染みたジューシィなころもで白メシをかき込むための弁当
・背徳のガーリックペペロンチーノ:ニンニクにまみれたパスタが食べたいという欲望を形にした、ニンニク1玉分以上を使用したペペロンチーノ
これらの商品は、普通のお弁当やお惣菜では脇役の食材にスポットを当てたり、お酒に合うことだけを考えて作られたりと、特定の人の嗜好に刺さるものばかりです。
さて、ここで一つ考えてみたいのが「万人受けする商品」の問題点です。従来のマスマーケティングは、できるだけ多くの人に受け入れられることを重視してきました。しかし、現代は価値観が細分化し、ライフスタイルや嗜好も人それぞれです。そんな時代に「誰にでも好かれそうな無難な商品」を作ろうとすると、どうしても特徴の薄い“平均的”な商品になってしまいがちです。結果として、強く刺さるポイントがないために選ばれず、消費者の記憶にも残りません。加えて、消費者は単に味や品質だけでなく、「自分に合っているか」「どんな背景で作られたか」といったストーリー性や共感にも価値を見出すようになっています。そのような中では、没個性的な商品では心を動かせず、選ばれないリスクがより一層高まります。
「偏愛めし」のようなニッチ戦略には、多くのメリットと強みがあります。
まず、ニッチ市場では顧客の嗜好が明確であるため、商品開発の方向性がぶれにくく、明確なターゲットに訴求することが可能です。特定層に強く響く商品は、その独自性から価格競争に巻き込まれにくく、ブランド価値を維持しやすいという特徴があります。さらに、特定のニーズを持つ消費者はその商品やブランドへの愛着が深まりやすく、リピーターやファンが生まれやすい点も魅力です。
また、ニッチ市場には競合が少ないことが多く、広告費などのマーケティングコストを抑えつつ、高い費用対効果を得ることができます。市場が小さい分、限られた予算でもインパクトのあるマーケティングが可能で、中小企業やスタートアップにとっても参入しやすい環境と言えます。さらに、大手企業が手を出しにくい領域であればあるほど、そこに潜む「独占的なポジション」を確立できる可能性もあります。
「偏愛めし」は、まさにそうしたニッチ戦略を体現したシリーズです。万人受けを狙わず、特定の“好き”にとことん寄り添う姿勢が、SNSなどでも話題となり、新たな市場とファン層を生み出しました。
価値観が多様化する今の時代において、全員に好かれる商品を目指すよりも、「誰か一人に深く愛される商品」を作る方が、結果として強いブランドと持続的な支持を得られるのかもしれません。皆さんも、自社の商品やサービスにおいて、誰かの120点を目指すアプローチを検討してみてはいかがでしょうか。
こんにちは。Buddieateスタッフの福島です。今回は「メタバース普及への期待と現実」についてお話します。2020年代初頭、世界中でメタバースへの関心が高まっていました。仮想空間上での交流や経済活動が現実世界と並行して展開され、人類の生活に変革をもたらすことが期待されていました。特に2021年、Facebookが社名を「Meta」に変更したことで、メタバースは次世代インターネットの象徴として大きな注目を集めました。2022年の予測では、メタバース市場は2030年までに数千億ドル規模に成長すると見込まれていました。
しかし、現在のところメタバースの普及は予測を下回り、多くの企業や投資家がその実用性や収益化に関した課題に直面しています。なぜメタバースはここまで伸び悩んでいるのか、その理由を挙げていきます。
まず、VRやAR機器の普及率が低いことが原因として考えられます。現在、VRヘッドセット所有者は一部に留まっています。メタバースを利用するために必要な機器の価格が数万円から数十万円と高額であるため、消費者の購入障壁となっています。スマートフォンのように1人1台の所有が一般的にならなければ、技術として社会に浸透することは難しいでしょう。また、ユーザーからは没入感の不足や長時間使用による疲労、酔いといった体験面での課題も報告されており、ユーザーが日常的に使い続ける快適さにはまだ達していないといえます。
また、メタバースの利用目的やコンテンツも十分に明確化されておらず、一般消費者からは「メタバースで何をすればよいかわからない」との声も多く上がっています。技術だけが前面に出されてしまい、明快な便利さのアピールに欠けていると言えます。こうしたことから、日常的に気軽に利用される既存のソーシャルメディアや動画配信サービスに比べて、メタバースは利用のハードルが高いと評価されています。
他方、仮想通貨などを活用したメタバース上での経済圏の構築が期待されましたが、技術面での課題に加え仮想通貨の価格変動といった情勢の不安定さにより企業や投資家の参入が難しくなっていると考えられています。さらに、プライバシーや法規制に関する不透明さ、不完全さも企業の事業展開にとってリスクとなっており、実用化はまだ見込めていないようです。
社会的・心理的な側面でも、仮想空間に長時間滞在することに対して「現実逃避」や「孤立感」を感じるユーザーが一定数存在し、また未知の技術に対する抵抗感も社会全体に見られます。さらに、多くのユーザーはスマートフォンやPCによる既存のアプリケーションの利便性を高く評価しており、「今の技術で事足りているため、わざわざ専用のデバイスを使って仮想空間に入る必要性を感じない」という声も少なくありません。
大きな期待を背負っていたメタバースですが、技術の未成熟、利用動機の不明確さ、ビジネスモデルの脆弱さ、プライバシーに関するリスク、そして社会文化的受容の難しさといった複数の課題が未だ山積みであり、世界全体での普及はまだ遠いように思われます。短期間で社会全体での普及を目指すよりも、これらの課題を克服しながら、まずはゲームやバーチャルライブ、リモートワーク支援など適合性の高い分野での普及と進化を目指し、そこから段階的に浸透を目指すのが現実的なアプローチといえるでしょう。
皆さん、こんにちは。Buddieateスタッフの石堂です。今回は、「粗利率45%⁉ 町の電気屋さん『ライフテクト ヤマグチ』のビジネスモデル」についてご紹介します。
「ライフテクト ヤマグチ」は、1965年に山口勉氏が自宅の物置を改装して創業した、小さな町の電気屋さんからスタートしました。創業当初は、地域の家電修理を中心に事業を展開していましたが、その後、パナソニックの特約店となり、家電製品の販売にも進出。順調に成長していったように見えました。
しかし、1990年代半ば、大きな転機が訪れます。家電量販店の台頭により価格競争が激化し、加えて自社店舗を拡大したことによる経費増加も重なり、経営は深刻な局面を迎えました。この時、借入金はなんと1億9000万円にまで膨れ上がっていたといいます。
そんな危機的な状況の中、山口氏は「安売りをやめる」という大胆な経営方針の転換を決断します。量販店との価格競争に対抗するのではなく、逆に“価格以外の価値”で勝負する戦略です。つまり、利益率を維持・向上させるために、価格ではなくサービスで顧客を惹きつけるビジネスモデルへの移行を図ったのです。
そこで生まれたのが、「ヤマグチの裏サービス」と呼ばれる独自の取り組みです。これは、単なる家電の販売・修理にとどまらず、お客様の生活全体を支えるような“かゆいところに手が届く”サービス。例えば
・「お店まで車で送迎してほしい」
・「旅行中、ペットにエサをあげてほしい」
・「テレビ番組の録画予約を代わりにしてほしい」
など、一般的な電気屋さんでは対応しないような依頼にも、可能な限り応えています。
このサービスを可能にしているのが顧客担当制度です。ヤマグチでは社員一人につき約350名の顧客を担当し、その一人ひとりと密接な関係を築いています。この制度の目的は、単なる販売ではなく「生活の相談相手」として信頼を得ることにあります。担当者は、定期的に顧客宅を訪問し、家電の使用状況や困りごとをヒアリングします。例えば、季節の変わり目にはエアコンやストーブの点検、年末には冷蔵庫のメンテナンス提案など、「売って終わり」ではない継続的なフォローアップを徹底しています。このような体制により、顧客の信頼を獲得すると同時に、自然な流れで買い替えやリフォームなどの提案につなげることが可能になります。つまり、無理に売らずとも“相談の延長線上で売れていく”仕組みができているのです。
また、得意客に集中するために「過去5年間で購入がない顧客」や「店舗から地理的に離れた顧客」は名簿から外すという方針をとっています。これは、数を追うのではなく、「自分たちがきちんと対応できる範囲に絞って深く関係を築く」という、非常に合理的かつ持続可能な戦略です。これにより、顧客満足度を上げつつ業務効率化を実現しています。
このように、ライフテクト ヤマグチでは、製品を売ること以上に「顧客との信頼関係」を重視し、その信頼の上に成り立つサービスによって、他店よりも高い価格であっても納得して購入してもらう仕組みを構築しました。その結果、粗利率は45%を達成し、なんと28年連続で黒字経営を続けるという“超優良企業”へと成長したのです。